2011年5月31日火曜日

ため池の多い主な府県

  府     県         ため池の数     ため池の密度(1平方キロメートルあたりの数)

  兵庫県            43,321                       5.2

  広島県            20,183                       2.4

  香川県            14,619                       7.8

  大阪府            11,102                       5.8

  山口県            10,636                       1.7

  岡山県             9,802                        1.4

(注)大阪府の資料を基に作成、2010年4月時点

2011年5月30日月曜日

仮設住宅の建材、2万戸分が宙に 各社に在庫の重荷

仮設住宅の建材、2万戸分が宙に 各社に在庫の重荷

 政府が東日本大震災の被災地に整備する仮設住宅の設置目標を約7万戸から約5万戸に引き下げたことで、2万戸分の建設資材が宙に浮いている。大和ハウス工業/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000126;dv=pc;sv=NXなど大手住宅各社は地場の中小工務店が建てる仮設住宅に資材を振り向けたり、集会所など住宅以外の施設に転用したりして、在庫圧縮を急いでいる。しかし2万戸分の資材の有効活用には限界もあり、各社が数十億円の損失処理を迫られる可能性もある。
2万戸分の建設資材が宙に浮いた(宮城県石巻市)=共同
 仮設住宅の供給について政府は、お盆までに約7万戸を用意し「希望者全員が入居できるようにする」(菅直人首相)目標を打ち出していた。大手などで構成する住宅生産団体連合会(住団連)傘下のメーカーが約6万戸、地場の工務店が約1万戸を整備することになっていた。
 しかし自治体の建設用地確保が難航し、仮設住宅の完成を待たずに民間の賃貸住宅などへの入居を希望する人も増えた。
 例えば避難者数をもとに概算で3万戸程度の仮設住宅の建設と見込んでいた宮城県は5月中旬、総戸数を約2万3千戸に修正した。被災した沿岸市町を調査した結果、大幅に減少した。県内の沿岸部では平地が津波で浸水。被害を免れた高台で必要数の用地確保が難しい市町もあり、仮設住宅の着工が当初思うように進まなかった。避難者のなかには、仮設住宅への入居に時間がかかるとみて民間賃貸住宅を選んだ人もいるようだ。
 こうした事情から国土交通省は8月時点で必要な仮設住宅の戸数を約7万戸から約5万戸に引き下げた。
 中小メーカーや地場工務店は在庫を抱える体力がないため、2万戸減のしわ寄せは住宅大手が中心にかぶることになり、各社は調達済みの建材、複数の建材を組み立ててある「半製品」の在庫を最大2万戸分抱える可能性がある。
 建材、キッチンや風呂などの設備を地場の工務店に引き渡すほか、集会所など仮設住宅以外の建造物への転用を急いでいる。しかし大手と中小では工法が異なるため、転用できる建材は限られるとの見方もある。
 大手各社は8月までに供給する戸数の配分を再調整し、今期中に損失処理を実施する見通し。仮設住宅の整備事業はもともと収益率が低いため、資材の在庫処分に伴い大手各社の損失は数十億円に膨らむ可能性も

2011年5月23日月曜日

日経平均3日続落9500円下回る 4月19日以来1ヶ月ぶり

東証大引け、3日続落 1カ月ぶり9500円割れ 景気減速を警戒      2011/5/23 15:30

 23日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落した。終値は前日比146円45銭(1.52%)安い9460円63銭と、4月19日以来約1カ月ぶりに心理的節目である9500円を下回った。中国の景気減速懸念から機械株が大きく売られ、市場全体の投資家心理を冷やした。格付け会社による長期債務格付けの引き下げでギリシャの財政問題に注目が再び集まり前週末の米国株が反落したことも投資家のリスク回避姿勢を強めた。自動車や電機など主力株や精密、半導体関連など幅広く売られた。
 コマツの下落率は一時7%弱に達し、日立建機は年初来安値を更新した。米景気や中国景気の減速に対する警戒感に加え、一部の証券会社が20日付で機械株に慎重な投資判断を示したことが重荷になった。立花証券の平野憲一執行役員は「中国やインドなど新興国で金融引き締めに伴う景気減速懸念が強いほか、国内でも下期に景気が回復するという楽観シナリオを慎重に見極めようとする動きが強い」と話す。

 東証株価指数(TOPIX)も3日続落した。前週末比1.22%下げて3月17日以来、約2カ月ぶりの安値水準で終えた。業種別TOPIXは医薬品を除く32業種が安く、機械、その他金融業、保険業の下げが目立った。

 東証1部の売買代金は概算で1兆2415億円、売買高は同18億2739万株。それぞれ前週末20日と比べて1割ほど多かった。東証1部の下落銘柄数は全体の72%にあたる1202、上昇銘柄数は363、横ばいは103銘柄だった。35銘柄が年初来安値を更新した。

 三井住友FG、ソフトバンク、ホンダ、ファナック、日立、東芝、川重が売られた。20日の取引終了後に2011年3月期決算を発表し、連結最終損益が1兆2473億円の赤字に陥った東電は急落した。株式相場の軟調さを受けて野村、松井など証券株が軒並み安くなった。一方で中部電、シャープが買われ、セガサミー、セ硝子、一休の上昇が目立った。KDDIは4日続伸し、約2年4カ月ぶりに一時60万円台を回復した。

 東証2部株価指数は3日続落し、4月7日以来の低水準で終えた。三谷商、ツクイ、日鋳造が下げ、ソディックが値上がりした。〔日経QUICKニュース〕

東証後場寄り、軟調 一時170円近く下落 アジア株安が重荷      2011/5/23 13:05

 23日後場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は軟調。前週末比の下げ幅を一時170円近くに広げ、9400円台半ばまで下落した。前場に続いてコマツなど機械株を中心とする輸出関連に売りがかさんでいる。上海、韓国といったアジアの主要株式相場が軟調なことが投資家心理を冷やした。米国や新興国の景気減速懸念を背景に「株価指数先物に(値下がりリスクを回避するための)ヘッジ売りが出ている」(国内大手証券)との声があった。
 前引け後の東証の立会外取引で、大口投資家が複数銘柄をまとめて売買するバスケット取引は178億円成立した。市場では「投資家の売買は均衡していた」との指摘があった。

 東証株価指数(TOPIX)も午後に下げ幅を広げた。

 12時45分時点の東証1部の売買代金は概算で6818億円、売買高は同10億4052万株だった。東証1部の下落銘柄数は全体の75%にあたる1236と、前引け時点(1202)からやや増えた。上昇銘柄数は275、横ばいは136銘柄だった。
東電、三井住友FG、三菱UFJ、ホンダ、ファナックが売られ、ソフトバンク、東芝、高岳が下げ幅を広げた。一方でKDDI、三井物、一休、ビックカメラが高い。中部電、関西電など東電以外の電力株が持ち直している。〔日経QUICKニュース〕

東証前引け、続落し9500円下回る 海外景気の減速に警戒      2011/5/23 11:25

 23日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落した。前引けは前週末比132円25銭(1.38%)安の9474円83銭だった。取引時間中に心理的節目の9500円を下回るのは4月19日以来、約1カ月ぶり。前週末20日の米株安を嫌気し、主力の輸出関連株や銀行、不動産など幅広い銘柄に売りが先行した。中国経済減速への警戒感から機械株が軟調で、全体の投資家心理を冷やした。東証1部全体の73%の銘柄が値下がりした。

 コマツ、日立建機の下落率は前引け時点でそれぞれ6%弱に達し、日立建機は年初来安値を約2カ月ぶりに更新した。米景気の減速や欧州財政問題に対する警戒感に加え、一部の証券会社が20日付で機械株に慎重な投資判断を示したことが重荷となった。中国での建機需要の鈍化懸念が背景に指摘され、外部環境の先行き不透明感を意識させた。

 カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「米株式相場の下げが本格的な下落につながるのか、短期の調整で済むのか見極めたいとの気分が広がっている」と指摘していた。市場では「米国の量的金融緩和第2弾(QE2)終了による株安を見越した売りが海外投資家から出始めているようだ」(準大手証券)との指摘もあった。

 東証株価指数(TOPIX)も続落した。取引時間中としては3月17日以来、約2カ月ぶりの低水準を付けた。業種別TOPIXは33業種すべてが安くなり、機械、保険業、不動産業の下げが目立った。

 東証1部の午前の売買代金は概算で5650億円、売買高は同8億6475万株だった。東証1部の下落銘柄数は1202、上昇銘柄数は310、横ばいは135銘柄だった。

 ソフトバンク、ホンダ、ファナック、川重、三菱重が売られた。野村、三井住友FG、第一生命といった大手金融・保険株の下げが目立った。2011年3月期は1兆2473億円の連結最終赤字になったと前週末発表した東電は急落した。
一方で三井物、KDDI、東北電、シャープ、JUKIが上げ、東京電波は前場は買い気配のまま売買が成立しなかった。
 東証2部株価指数は小幅に反発した。ソディック、日鋳造が上げ、三谷商が下げた。〔日経QUICKニュース〕

2011年5月19日木曜日

民主党の石井副代表ら3人は比で前日もゴルフ

【マニラ共同】フィリピンでゴルフをしたとして、民主党の地震対策本部の副本部長を引責辞任した石井一党副代表らが、問題となった日の前日にもマニラ首都圏郊外の別のゴルフ場でプレーしていたことが19日までに、関係者の話で分かった。生方幸夫衆院議員と那谷屋正義参院議員も一緒にプレーした。石井氏らはこれまで、滞在中のゴルフは一度だけで、石井氏が会長を務める日本フィリピン友好議員連盟の公務に励んだとしていた。3人は17日までの共同通信の取材に事務所を通じ「やっていない」と否定したが、18日になり一転、「ノーコメント」との回答をそれぞれ寄せた。関係者やゴルフ場の記録によると、石井氏らは4日午後、邦人数人とプレー。午前はフィリピンの議員らと面会していた。5日は、別のコースで在留邦人らとゴルフをしていたことが既に明らかになっている。 2011年5月19日(木)10時1分配信 共同通信

新潟日報5月19日夕刊 に 掲載石井談話
 既にけじめつけた
フィリピンのゴルフの件は、東日本大震災の被害者の方に迷惑を掛けたとの批判をいただき、
既に党地震対策本部の副本部長を辞任しており、けじめをつけたと考えている。
4日のゴルフについてはノーコメントだ。

2011年4月30日土曜日

原発事故の経緯 政府・東電の国民見殺し と 米国務長官ヒラリーの激怒と失望

怒鳴る首相、募った「東電不信」 初動混乱の原発事故


迷走1カ月半を検証 (1/2ページ) 2011/4/30 4:00

 「レベル7」という最悪の事故に至った福島第1原子力発電所の放射能漏れ。東京電力、原子力安全・保安院、首相官邸と官僚機構など日本の頭脳たる官民の組織は、初動から、その後の対処でも混乱の収拾は遅れた。幾重もの安全装置の壁を軽々と越えて浸入してきた未曽有の津波を前に的確な情報集約さえできず、米国からの支援も事実上、断るなど瞬時の判断を誤った。迷走した1カ月半。危機は必ず来るという前提で「想定外」に備える難しさを浮き彫りにした。

事故直後、官邸と東電との意思疎通が悪かった(3月15日、東電本店に入る菅首相)=共同

 海江田万里経済産業相は3月14日深夜、東京電力の清水正孝社長から電話を受けた。「放射線量が多く、これ以上、現場では作業ができません。第1原発から退避して第2原発に行きたい」
 爆発寸前の第1原発を事実上、見捨てて南に約10キロも離れた第2原発に大半が避難したらどうなるのか。政府と自衛隊に丸投げされても対処は不能だ。経産相から社長発言の報告を受けた菅直人首相は怒鳴った。「そんなことありえないだろ」

■溶融の恐れに衝撃

 現場は切迫していた。午前に3号機が水素爆発し、午後には2号機で水位低下。午後9時には炉心の燃料溶融に関し枝野幸男官房長官が1~3号機とも「可能性は高い」と言明し衝撃が走る。
 自衛隊員4人が午前の水素爆発で負傷し、防衛省は東電の「大丈夫」との判断に疑問を抱く。夜には中央特殊武器防護隊員らが郡山市の駐屯地に一時退く。
 同様に第1原発の近くで待機していた原子力安全・保安院の職員らも郡山に退く。住民は半径20キロ内からの避難指示だが、安全を担うはずの保安院は50キロ以上先の郡山へ。炉心溶融か、という極限の状況を考えれば、だれよりも危険を認識していた東電が人命を優先して事実上、第1原発からの全面撤退を決断したとしても一概に批判できない。
 一方で首相の東電不信は頂点に達していた。国の存亡、自身の進退を含め、あとはない。第1原発には6つの原子炉と7つの使用済み核燃料プールがある。「チェルノブイリ原発をはるかに超える規模なのに、最悪の事態に関して聞いても誰も答えられない」
 そこで首相は原子力災害対策特別措置法をよく調べるように指示。「原子力災害対策本部長(首相)は事業者に必要な指示をすることができる」との文言を見いだすと「これで東電との統合本部がつくれるか」と口にした。
 清水社長の官邸入りは15日午前4時17分。首相は「本当に撤退を考えているのか」とすごむ。清水社長は「いや、そうではありません。すべてを引き揚げるわけでは……」。

 東電側は「必要な人員だけ残し、その他は離れるとの判断なのに政府が取り違えた」(幹部)と説明する。だが、首相官邸と危機対応の現場では「複数のルートの情報があった。東電が事実上の撤退を念頭に置いていたのは間違いない」と見る関係者は少なくない。


■「東電に責任」

海江田経産相らが出席した統合本部の初会合(東電提供)

 首相の怒りは、初動の遅れ、計画停電での混乱など東電へのいら立ちが募った結果でもある。伏線はあった。2日前の13日午後、清水社長は首相官邸を訪ねている。「なぜこんな事態になったんだ。あまりに不手際を繰り返している」。首相は話が進むうちに突然、激高した。直前に首相は東芝の佐々木則夫社長に「行政がやれることはすべてやる。しっかり対応してほしい」と声をかけた。あまりに対照的な対応だった。
 首相は15日早朝の会談で清水社長に政府と東電の統合本部の設置を打診した。清水社長は「分かりました」と応じるほかなかった。首相が自ら東電本店に乗り込み、幹部らを前に「撤退したときは東電は百パーセントつぶれます」とぶった約1時間前の出来事だ。
 統合本部には首相の名代、細野豪志首相補佐官が常駐する。放射性物質の封じ込めから米国との連携までを一手に担う。首相周辺は「統合本部こそが原発対応の要」と解説する。
 政府が東電の意思決定プロセスに積極介入する一方で、東電を突き放すような態度も目立つ。厳しさを増す東電の経営に関して首相は「基本的には民間事業者としてがんばってもらいたい」との姿勢だ。賠償問題でも首相や枝野官房長官は「一義的には東電に責任がある」と歩調を合わせる。確かに「何十万件にもなるかもしれない訴訟案件を皆、国が引き受けることはできない」(政府高官)。

 4月17日に事故収束に向けて東電が発表した工程表の作成には政府側が強く関与している。「東電に工程表を作るよう指示した方がいい」と細野氏は進言。首相も東電の発表から5日後の記者会見で「国も含めて取り組めば十分、実現可能だ」と期待を口にした。
 東電ばかりを前面に出す姿勢には、政府内でも「官邸の責任の回避だ」との批判が残る。「一義的に東電、と言うのは責任逃れではなく、事実として東電の権限を国が制限する仕組みになっていないからだ」。馬淵澄夫首相補佐官は22日、講演で、東電の株主ではない国の関与には限界があると説明した。
 それなら国策としての原子力推進は一体誰が担ってきたのか。政府高官はぼやく。「結局、東電こそが原子力行政そのものだった」

クリントン長官の勇み足、日本の「甘さ」に一因


原発事故 迷走1カ月半を検証 (1/2ページ) 2011/4/30 4:00

日米外相会談を終え記者会見するクリントン米国務長官(左)と松本外相(17日、外務省飯倉公館)
 日米のあつれきが表面化したのは原発事故が抜き差しならない局面に入った3月11日。クリントン米国務長官の力強い発言がワシントン発のニュースとして流れ、必死の形相だった東京の危機管理に関わる担当者らの顔色が一瞬、ほころぶ。「米軍機で日本の原発施設の一つに非常に重要な冷却剤を輸送した。日本と米国市民のために可能な限り深く関与していく」。出席した大統領輸出評議会で誇らしげに報告したのだ。

■「東電で対処可能」
 危機管理の経験豊富な米軍が動きだした――。これで展望が開けると期待が膨らんだのもつかの間。実際に冷却剤が届いた事実はなく、後に国務省も間違いを認めた。クリントン長官も危機のさなかの日本政府は間違いなく支援を受け入れる、と踏んで「原発に輸送した」との過去形のニュアンスを出したとみられるが、勇み足だった。

 「問題は日本側にあった」。民主党幹部は、この段階では政府が米側の原子炉冷却に関する申し出を断っていたと証言する。早急な海水注入など廃炉/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E5E2E0E1E0E2E0E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXが前提だったからだ。菅直人首相も炉心溶融の危機を十分に認識せず、米国頼みではない自前の対処に傾く。この時、東京電力も「自社で対応できる」と報告していた。
 13日、首相官邸での緊急災害対策本部の会合。北沢俊美防衛相は「ルース駐日米大使から電話があり、エネルギー省副長官が日本政府と意見交換したいと言っている、きちんと話をしてほしい」と発言する。
 情報を要求する米国の強い態度に日本側でも反発が出る。政府関係者は「経済産業省は東京電力と原子力安全・保安院との関係が深い一方で、事故の当事者意識が希薄。『米原子力規制委員会(NRC)などは日本の原発事故の生情報を取りたいだけだ』と突き放していた」と指摘する。
 この間、水素爆発が相次ぎ事態は悪化する。米国との信頼関係も揺らぎ、ついに首相も日米の緊密な連携への方向転換を迫られた。

■米側に募る不信感


 「ちょっと残っていただけますか」。首相官邸での16日の会議後、首相は防衛相を呼び止めた。「日米の連携がうまくいかず困っている」。袖にされていた米側の不信感は強く、NRCとの関係修復が課題だった。同じ頃、ルース大使は民主党有力議員に電話した。「日本政府は危機感を持っているのか。米側の協力を受ける気があるのか」
 変化の兆しが見えたのは自衛隊ヘリが3号機に水を投下した17日。防衛相と会ったNRC幹部のカスト氏は「やっと日本の閣僚に会えた」と表情を緩め、防衛省内で外務省や経産省、NRC、在日米軍の会議の開催が決まった。
 それでももつれた糸を解きほぐすのは難しい。19日の会議では米側が原子炉への窒素注入や格納容器を水で満たす「水棺」を提案した。ともに4月に実行されたが当時は原子力安全・保安院や東電が慎重だった。民間では米建設大手ベクテルの幹部が16日ごろ、首相官邸に「日米間の情報共有を統括するスタッフを置くべきだ」との書簡を送ったが1カ月も放置された。
 米側の不信を伝え聞いた首相官邸は22日、細野豪志首相補佐官がトップの日米実務者協議を設ける。官邸のスタッフは「この頃から日米の意思疎通がスムーズになった」と振り返る。
 それから1カ月後。米国では大半が休日扱いの聖金曜日に藤崎一郎駐米大使は国務省にナイズ国務副長官を訪ねた。「米国は何でもやる」と今後の支援を約束したナイズ氏はモルガン・スタンレーの最高執行責任者(COO)を務めたウォール街出身。
カンター米通商代表部代表のスタッフだった経歴から通商問題に精通し、クリントン長官の訪日の舞台裏を取り仕切った人物だ。
 ナイズ氏は震災の米経済への影響を懸念し、訪日前のクリントン長官に「日本は営業中、とのメッセージが大事です」と進言。米経済界には巨額の復興予算への期待もにじみ、全米商工会議所のドナヒュー会頭は復興ファンドを提唱した。ナイズ氏はクリントン長官来日にドナヒュー氏を同行させ政経一体も演出した。
 来日したクリントン長官は4月17日、松本剛明外相に明言した。「訪日目的は日本がビジネス先、渡航先として大丈夫と示すことだ」。震災発生からは既に1カ月以上が過ぎていた。

放射性物質の拡散予測、「二重行政」で遅れた公表


原発事故 迷走1カ月半を検証 2011/4/30 4:00

 放射性物質の拡散を予測する文部科学省の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」。第1原発の事故での初公開は1号機の水素爆発から10日以上過ぎた3月23日午後9時だ。枝野幸男官房長官は「文科省に放射能の広がりを逆算できないか指示してきたが(原発から出た放射性物質量の)データがなく難しいとのことだった」と説明した。

 結局、公表に踏み切ったのは開発者たる文科省ではなく内閣府の原子力安全委員会。班目春樹委員長も「(事故後に)なぜか突然、(専門家の立場で)評価してくれと言われた」と文科省の“丸投げ”を示唆する。安全委と経済産業省の原子力安全・保安院の関係もぎくしゃくし「二重行政」が責任の所在をあいまいにする。監督役のはずの班目委員長さえ「保安院が情報を出さない。規制官庁としての見解がない」と憤る。

 安全委は「炉心溶融の可能性」に事故直後から言及する一方、保安院は4月18日にようやく溶融を正式に認めたが「ペレットは溶けたが、(すべての)燃料が溶け落ちる炉心溶融とは異なる」と説明した。

1カ月後のレベル7 「ムラの論理」が遅れ招く


原発事故 迷走1カ月半を検証 2011/4/30 4:00

無人機で撮影した東京電力福島第1原子力発電所(3月24日)=エアフォートサービス提供

 「福島第1原発事故をレベル7と暫定評価」。4月12日、経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は厳しい表情だった。国際原子力事象評価尺度(INES)では最悪。「フクシマ」はチェルノブイリと同じ重大事故の代名詞になった。

 レベル7の根拠は「数万テラベクレル(テラは1兆)の放射性物質の数時間にわたる放出」。共同会見した原子力安全委員会は、3月15日から数日にわたり、高水準の放射性物質の放出が続いたとする。
 1カ月前のデータによる突然のレベル7宣言。国民にはそう映った。保安院は3月18日にINESをレベル5に上げて以降は据え置く。「変更に値する事象が起きれば見直す」。西山氏は繰り返していたが、事象が起きたのははるか前だった。

1986年事故直後のチェルノブイリ原発=AP

 安全委は早くから把握していたフシがある。安全委が放射性物質の拡散予測を初公開した3月23日。班目春樹委員長は前提として「400兆ベクレルの放出を仮定」と口にした。各地の数字からINES基準では既にレベル6だったが安全委と保安院が議論した形跡はない。

 「驚くことではない」。レベル7宣言の翌13日、米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は冷静だった。虚を突かれた日本国民とは対照的だった。「原子力行政は縦割りで意思疎通が乏しい。見直しは不可避だ」。原子力関連の政府組織OBは自嘲気味に語る。縄張りを越えない「ムラの論理」。過去の原子力事故でも指摘された悪弊がまた顔をのぞかせた。

2011年4月29日金曜日

NY金、最高値更新3日連続 一時1569.8ドルまで上昇

NY金、最高値更新 NY株は2年11カ月ぶり高値   2011/4/30 10:35

 29日のニューヨーク市場で金先物価格(6月物)が通常取引後の時間外で
一時1トロイオンス1569.8ドルまで上昇し、中心限月としての最高値を更新した。
4月月間では8.1%上げ、2009年11月の13.6%以来の上昇率。
この日はダウ工業株30種平均も4日続伸し、
08年5月20日以来約2年11カ月ぶりの高値を付けた。
米国の緩和的な金融政策が続くとして、
投資マネーが金などの国際商品や株式に流入している。

 金が最高値を更新するのは3日連続。
米連邦準備理事会(FRB)が27日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で
6月末に量的緩和第2弾(QE2)を打ち切った後も
資金供給を維持すると決定したことから、上昇にはずみがついている。

 外国為替市場でドルが対主要通貨で下落したのも、
ドルの代替資産とされる金が買われる要因になった。
原油先物相場も3日続伸し、
期近の6月物は前日比1.07ドル高の1バレル113.93ドルで取引を終了。
国際商品市場への資金流入が続いている。

 ダウ平均の終値は前日比47ドル23セント(0.4%)高の1万2810ドル54セント。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸し、
00年12月以来10年4カ月ぶりの高値で終えた。
キャタピラーや石油大手シェブロンなどの決算が市場予想を上回り、
収益の拡大期待が高まった。

 ダウ平均は4月の月間で490ドル(4.0%)高と、
昨年12月以来の上昇率となった。
今月4日、3月の雇用統計が予想よりも改善したことを手がかりに、
年初来高値を更新。
東日本大震災直後には一時的に投資家のリスク回避が強まったが、
米主要企業の1~3月期決算が好調だったことなどをテコに反発に転じてきた。

 低金利の持続やカネ余りの期待感から、
国際商品や米国株は当面は高値圏で推移するとの見方が目立つ一方で、
余剰マネー主導の上げに一部には警戒感も出ている。

2011年4月24日日曜日

金のつぶやき金1500ドル史上最高値、7つの理由 2011/4/24 0:00

金価格はついに1500ドルをつけた。その背景には7つの要因がある。

1. 有事の金 リビア、フクシマと国際的有事が勃発し、地政学リスクが高まる中で、リスクを回避し相対的な安全性を求めるマネーが実物資産の代表格である金に流入した。

2. インフレ リビア情勢の緊迫は原油高を引き起こし、新興国需要の高まりは穀物などの資源価格を押し上げ、新興国ではインフレ懸念が拡散。さらに先進国にも波及しつつある。また、先進国では量的緩和政策により通貨供給量が急増。貨幣価値が希薄化することによる資産インフレの兆候も出始めた。そこでインフレヘッジとして金が買われている。

3. 通貨不安 今回1500ドルをつけた決め手になったのが、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債見通しの弱含みへの引き下げだ。にわかに米ドルに対する信認低下が加速した。
 しかし、2011年に入ってからの金とドルの関係を検証すると、ドル高の局面でも金が上がっている。ドル高ということはユーロ安、円安ということで、財政危機を抱えるユーロに対する不安感が高まり、また震災後は円への不信感も募っているのだ。
0 そこでドル、ユーロ、円がそれぞれに構造的問題を抱え“弱さ比べ”を演じるという通貨不安が拡大する中で、金が“無国籍通貨”として浮上している。通貨の原点回帰ともいえようか。これまでのようにドル安で代替通貨として金が買われるという単純な公式が当てはまらず、新たな局面を迎えているのだ。
 ユーロに関していえば、トレーダーたちは金利差要因でユーロを買うが、投資家たちは相対的にユーロ高になっても構造的要因によりユーロ不安を募らせている。

4. ソブリンリスク 従来、安全資産の代表格であった国債が日米欧いずれの地域においても財政規律の緩みにより不安視され始めた。特にギリシャ、ポルトガル国債は債務再編、デフォルトの可能性さえちらつく。
 そこで安全性を求めるマネーが、国債から金、スイスフランなどへシフトしている。実際、筆者のゴールドセミナーで最も頻繁に発せられる質問が「日本国債は大丈夫か」ということなのだ。
 リーマンショック後は株から金へのシフトが顕著であったが、2011年は国債を売って金に乗り換えるというリアロケーションが目立つ。金は発行体の無い無国籍通貨ゆえ、ソブリンリスクはゼロなのだ。

5. 新興国需要急増 2010年はインド、中国の2カ国が年間の金生産量2600トンの6割近くを買い占めた。両国の買いは、NY(ニューヨーク)のファンドが先物で売り込み、価格が急落したところを徹底的に拾ってゆくという形。ゆえにバーゲンハンターと呼ばれる。
 2011年1月にも金価格が1300ドルすれすれまで急落したが、中国の個人投資家がインフレヘッジ目的で大量の現物買いをした。これが一時は現物供給不足を起こすほどの規模となり、結局、NY先物売り攻勢を押し切った。この例に見られるように、新興国の買いはレンジの下値をガッチリとガードする効果を持つ。特に中国の買い支えは“鉄板”である。中国人民銀行は利上げを繰り返しているが、金価格は上昇している。人民が金を買うのは、金融政策への不信感の表れともいえよう。

6. 中央銀行の金買い 1990年代に金価格を250ドルにまで押し下げた最大の要因は、欧州各国の中央銀行による金大量売却であったが、2010年は中央銀行部門が買い越しに転じた。
 これはBRICsの中国、ロシア、インドなどが、膨張する外貨準備の中の米ドルの一部を金にシフトさせているためだ。年間500トン程度は売却していたので、それがマイナスの売却量(=購入)に転じたことが需給バランスを逼迫させている。
7. 新産金量の伸び悩み 金価格は過去10年間で5倍以上に上昇したが、世界の金生産量は1割程度しか増えていない。もはや海底など過酷な自然環境の中にしか有望な金鉱脈は残っていないので、新規鉱山開発案件が一向に上がってこないのだ。さらに生産コストも800ドル以上となり、この10年で3倍近くに急上昇している。
 以上の要因はいずれも根の深い構造的要因であり、それらが7つ絡み合って複合要因となっているので、持続性のある上昇トレンドが形成されている。毎日、日替わりメニューのごとく入れ替わり、7つの中の1つ2つから新規材料が出てきているのだ。 では、下げの要因は何が考えられるだろうか

1. リビアの電撃的和平などが実現すれば原油価格も急落し、つられて金価格も下がるだろう。

2. 量的金融緩和/が予定通り6月末に終了すれば、過剰流動性を織り込んだ相場には失望感から売りが先行するだろう。さらに金融政策の正常化から踏み込んで引き締めへの転換、利上げなど、いわゆる出口戦略が発動されれば、金利を生まない金は売られよう。しかし景気が好転すれば物価も上昇するので、実質金利マイナスという状況が続けば金価格の本格的下げとはならない。

3. そこで本当に金が下がる状況は、いわゆるゴールディロックス(適温経済)の実現。熱すぎてインフレにもならず、冷えすぎてデフレにより破綻リスクが高まることもなければ、マネーは株、債券に回帰する。米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキ氏が出口戦略を成功させるシナリオだ。ゆえにバーナンキを信じるのなら、金は売りである。
4. 最後に金特有の要因として、リサイクルを挙げておかねばならない。金は腐食しないので金製品などが高値に誘われて市場にリサイクルとして還流してくる。その量は2009年、2010年と1600トン台に達し、過去最高水準。“金・プラチナ買います”と記したのぼりが全国で見られるが、これは世界的現象なのだ。このリサイクル還流は供給増を意味するので、価格上昇にブレーキをかける。
 比較すると、原油は燃えて消えるのでリサイクルがなくブレーキが利かず、値動きが軽く10倍に跳ね上がったりする。その反動の下げもきつい。その点、金は値動きが重いともいえるし、安定的ともいえる。
 以上、本コラムの第1回では、金市場に何が起こっているのかという最新情報をまとめてみた。これから毎週更新してゆく。