2008年1月28日月曜日

米大統領 最後の一般教書演説

アメリカのブッシュ大統領は、大統領として最後となる、1年間の施政方針を示す一般教書演説を行い、イラクの安定や中東和平の推進など中東外交にかける強い意気込みを示すとともに、景気の悪化を受けて、これまで以上に経済面にも力を入れる姿勢を示しました。
28日、議会で、最後の一般教書演説に臨んだブッシュ大統領は、イラクの復興について、「1年前には誰も想像しなかったような成果が増派によって上がっている」と述べて、アメリカ軍の兵力を増派したあと、イラクでのテロの件数は減っているとその成果を強調しました。また、みずからの仲介でイスラエルとパレスチナが7年ぶりに交渉を再開したことについて、ブッシュ大統領は「聖なる地で、イスラエルとパレスチナが平和の下、共存するときが来た」と述べて、年内の和平合意を目指し仲介を続ける決意を示しました。さらに、核開発を続けるイランについて、ブッシュ大統領は、ウラン濃縮を停止すれば対話に応じる用意があるとしながらも、「アメリカは脅威と感じれば、湾岸地域の権益を守るため、友好国とともに立ち向かう」と述べて、対決姿勢を強調しました。ただ、今回は、北朝鮮の核問題について、一切、言及はありませんでした。一方、ブッシュ大統領は、国民の間に景気の先行きへの不安が広がっていることについて、現状の厳しさを率直に認めたうえで、議会に対し、景気刺激策を盛り込んだ法案の速やかな可決を訴え、景気後退を阻むため、これまで以上に取り組む姿勢を示しました。しかし、アメリカの国民の関心は、過熱する大統領選挙の候補者選びに向けられており、残る任期が1年を切ったブッシュ大統領にとって、野党、民主党が多数を占める議会を前に、強い指導力を発揮するのは難しくなっています。
米大統領「景気は不透明、将来に懸念」・一般教書演説
 ブッシュ米大統領は28日、議会の上下両院合同本会議で内政・外交の施政方針を示す一般教書演説を行った。米景気の現状について「不透明な時期で、将来に懸念がある」と認め、減税を柱とする緊急景気対策を盛り込んだ法案の早期成立を求めた。地球温暖化対策では、途上国向けに20億ドル(約2100億円)規模の国際基金創設を提唱。テロとの戦いではイラク駐留米軍増派の成果を強調する一方、北朝鮮問題には触れなかった。
 大統領の一般教書演説は7回目で、2009年1月までの任期中では最後となる。今年の演説は内政分野のほとんどを経済政策に費やした。
 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した景気情勢を踏まえて大統領は「短期的に成長は鈍化している」と表明。下院と合意した総額約1500億ドル(約16兆円)の景気対策について「積み増しの誘惑があるだろうが、遅れや修正はできない。できるだけ早く通さなければならない」と、景気後退回避には早期実施が必要と訴えた

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