2009年12月27日日曜日

年末の株式の今週の見通し 年初来高値を試す展開も

今週の見通し・株式 年初来高値を試す展開も
 今週の株式相場は強含みの展開か。年内最後の立ち会いまで3日しかなく、商いはさほど膨らまないが、世界の景気回復を期待した買いが引き続き先行しそう。円高修正の動きが進めば輸出関連株を中心に買い安心感が広がり、8月の年初来高値(1万0639円)を試す可能性もある。
 先週の日経平均は週間で352円(3.5%)上昇した。週初から外国為替市場で1ドル=91円台まで円安が進み、輸出企業の採算改善期待を支えにハイテクや自動車など主力株への買いが膨らんだ。「海外と比べた日本株の出遅れ感を意識していた投資家には、格好の買い手掛かりになった」(極東証券経済研究所の佐藤俊郎主任研究員)。日経平均は24日に3カ月ぶりの1万0500円台を回復し、今年の最高値に迫った。
 25日の取引終了後には民主党政権初の本予算となる2010年度予算案を閣議決定。政策運営能力への不信感が完全に消えたわけではないが、「年内に決まったことで一定の安心感はある」(ユナイテッド投信投資顧問の井上淳氏)。
 投資家の関心が高いのは外国為替相場。直近の日銀短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の09年度下期の想定は1ドル=91円台。円高修正が一段と進めば、業績押し上げ期待が株価を後押ししそうだ。
 経済指標では米国で29日に発表されるS&P/ケース・シラー住宅価格指数と消費者信頼感指数が注目される。ともに改善傾向が確認され米国株がしっかりとなれば、年明け以降の株高を意識した先回り買いも増える可能性がある。
 12月に入ってからの日経平均の上昇率は12%強。世界主要市場のなかでも高く、出遅れ感はかなり解消された。年初来高値に近付けば戻り売りや利益確定売りがかさみ、上値は重くなりそう。ただ、下げた場合でも、「年明け以降の先高観があるため、1万0300円前後では押し目買いが期待できる」(国内中堅証券)。今回の年末年始は休みが4日間と短く、持ち高を減らす手じまい売りも例年よりは少なそうだ