2011年10月28日金曜日

日本経済の危機円高予想  年内「1ドル60円台」突入 ゴールは「50円」

「米国の要人が量的金融緩和(QE3)をにおわせたことが、ドル全面安のキッカケ。
これを境に為替マーケットの主要テーマは、ユーロ危機から米国の景気問題に移行。
本格的なドル売りのスイッチが入ったともいえる。
ドル円は今後1~2週間で『70~75円のレンジ』に移り、
そして早ければ年内に60円台に突入するかもしれない」

そうなれば、冷静さを装っている株式市場も大混乱に陥りかねない。
株式評論家の倉多慎之助氏は、
「株式市場は1ドル=75円程度の円高は織り込み済みなので今は大暴落が起きていない」
と話すが、  1ドル=60円はさすがに想定外だろう。
輸出企業の赤字続出は避けようがなく、株式市場は暴落に次ぐ暴落に襲われる。
平均株価はリーマン・ショック後の最安値6994円を割り込む恐れも出てくる。

「1ドル=50円」の到来を口にする市場関係者も増えてきた。
「輸出倍増」を指示した米オバマ政権のドル安容認の国策に、
マーケットが完全に乗っかり始めたからだ。
「まさか、そこまでは……」とのんきに構えていられる時代は終わった。
ジワリと進行する超円高のゴールは「1ドル=50円」に違いない。

(日刊ゲンダイ2011年10月27日掲載)