2008年7月31日木曜日

75歳以上1割超 人口調査

75歳以上が1割超す 住基台帳人口調査
 総務省が31日に発表した住民基本台帳に基づく人口調査によると、今年3月末に75歳以上の後期高齢者が総人口に占める割合が10.04%となり、初めて1割を超えた。総人口は3年ぶりに微増となったが、住民転出入による統計上の特殊要因の影響が大きく、出生者数から死亡者数を引いた自然増減数は2万9119人減と減少数としては過去最大だった。一方で3大都市圏の人口増加は加速しており、高齢化と都市化が進行している姿が鮮明になった。
 住民基本台帳による人口は毎年3月末時点に住民票に記載されている人の数。2008年3月末の日本の人口は全体で1年前から1万2707人(0.01%)増の1億2706万6178人。調査では、例えば転勤などで昨年3月末までに転出して同4月以降に転入した件数が、今年3月末までに転出手続きだけしている件数を上回れば人口が増える。人口の増減幅が極めて小さくなり、今回はこうした要因で純増した約2万人が寄与した形。日本に帰化した外国人はわずかに増えた。(31日 20:56)

2008年7月29日火曜日

“日本 財政健全化は不十分”

IMF・国際通貨基金は日本経済について分析したことしの年次報告書の中で、日本経済は底堅さを示す一方、政府の財政健全化に向けた動きが停滞していると指摘しています。
IMFは29日、日本経済の現状や先行きについて分析したことしの年次報告書を公表し、日本経済は減速はするものの、底堅さを示しており、ことしと来年のIMF成長率はいずれも1.5%と緩やかな成長になると予想しています。そのうえで、サブプライムローン問題による日本の金融機関の損失は80億ドル=およそ8600億円にのぼるものの、景気に深刻な影響を与えるには至らないとしています。また、円相場の水準については「相対的に割安」だとして中長期的には円高方向に修正されると分析しています。一方、報告書では、「政府の財政健全化に向けた動きは停滞している」として、2011年度までにその年の税収の範囲内で借金の返済を除いた歳出を賄ういわゆるプライマリーバランスを黒字化し、その後も債務を減らしていくという政府の目標を達成するためには現在の財政健全化計画では不十分だと指摘したうえで、目標を達成するようあらためて要請しています。

2008年7月24日木曜日

NY株価 280ドル超の急下落

ニューヨーク株式市場は、アメリカの中古住宅販売の統計や自動車大手メーカーの業績が市場の予想を大幅に下回ったことから、平均株価の終わり値は280ドル以上値下がりしました。
24日のニューヨーク株式市場は、この日発表された、アメリカの中古住宅の販売件数がこの10年間で最低の水準となったことや、アメリカの自動車メーカー「フォード」の業績が市場の予想を大幅に下回ったことから、金融銘柄を中心に売り注文が膨らみました。平均株価の終わり値は前日より283ドル10セント安い1万1349ドル28セントでした。市場関係者は「このところ、政府系金融機関の資金繰りや金融市場の混乱への懸念がやや薄らいでいたが、住宅不況の深刻さをあらためて示す指標が発表され、景気の先行きに対する不安が再び高まった」と話しています。

米国株急反落、ダウ283ドル安 中古住宅販売件数受け、利益確定も
【NQNニューヨーク=横内理恵】24日の米株式相場は3営業日ぶりに急反落。ダウ工業株30種平均は前日比283ドル10セント安の1万1349ドル28セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同45.77ポイント安の2280.11で終えた。6月の米中古住宅販売件数が市場予想を下回ったことなどを受け、住宅株や金融株に売りが膨らんだ。
 ダウ平均の下落幅は6月26日以来の大きさだった。午前10時に発表された中古住宅販売件数は前月比2.6%減の年率換算486万戸だった。市場予想(495万戸)を大きく下回ったため、住宅市場の落ち込みが続いているとして、米景気の先行き不透明感につながった。朝方発表された週間新規失業保険申請件数が大きく増加し、40万件を超えたことも嫌気された。
 午後にかけて金融株に売りが膨らむとダウ平均は下げ幅を広げた。住宅市場の落ち込みが住宅ローンの延滞や住宅差し押さえ増加につながり、金融機関の業績の重しとなるとの見方が広がったという。ここ1週間ほど相場の反発基調が続き、前日にはダウ平均が約1カ月ぶりの高値を付けていたため、利益確定売りも出やすかった。
 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約16億4000万株(速報)。ナスダック市場は約25億5000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全十業種)では「金融」が6%超下落したのを筆頭に、全業種が下落した。
 決算で一株利益が市場予想を下回った化学大手ダウ・ケミカルが下落。市場予想以上に赤字が膨らんだフォード・モーターは15%超下げ、ゼネラル・モーターズ(GM)もつれ安した。業績見通しを下方修正したダイムラーも大幅安だった。KBホーム、DRホートンなど住宅株も大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたと伝わったAT&T、ボーイングも安い。
 決算が市場予想を上回った化学大手スリーエムが小幅高。前日夕に発表した決算や見通しが好感されたアマゾン・ドット・コムが急伸。決算が黒字を維持したことを受け、クレディ・スイスの米預託証券(ADR)も上昇して終えた。(

2008年7月23日水曜日

眉唾 疑問だらけ社保庁と政府の二枚舌

懲戒の全867人不採用、社保庁新組織で政府・自民が合意
 政府・自民党は23日、社会保険庁の後継組織として2010年に発足する「日本年金機構」の職員採用に関し、年金記録ののぞき見や保険料の不正免除などの不祥事を起こし、懲戒処分を受けた867人の職員全員を採用しないことで合意した。
こうした方針を盛り込んだ同機構の業務運営基本計画を、早ければ29日に閣議決定する。
 同党が23日、厚生労働部会などの合同会議で、「懲戒処分を受けた者は、機構の正規職員及び有期雇用職員には採用されない」とした独自案をまとめた。これを受け、舛添厚労相が坂野泰治社保庁長官を通じ、独自案の受け入れを表明した。
 ただ、不採用とする懲戒処分職員の処遇は、現時点で決まっていない。政府内には、機構発足前に、民間企業の「解雇」に当たる「分限免職」は難しいとの指摘もある。厚労省は今後、民間への再就職や退職勧奨、同省への配置転換などを進めることになる。配置転換には、「機構に行かないだけで、公務員の身分が残るのはおかしい」などの批判も出ている。
(2008年7月23日13時49分 読売新聞)

 日本年金機構 分限免職 自民党 社会保険庁 保険料 懲戒処分 

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2008年7月22日火曜日

東証 午前取引トラブル午後取り引きを再開

東証 システムの改善で不具合 7月22日 17時29分
東京証券取引所で、22日、システムにトラブルが発生し、東証株価指数=トピックスや国債の先物などの取り引きが一時できなくなりました。この問題で、東証は、取引システムの性能を改善した際にプログラムの一部に不具合があったことを明らかにしました。
東証では、22日の取り引き開始前から、一部の証券会社で主に機関投資家などを対象にした東証株価指数=トピックスや国債の先物などの取り引きで注文状況が見られなくなりました。東証では、影響は軽微だとして午前9時から通常どおりこれらの取り引きを始めましたが、その後、注文の状況を見られない証券会社がさらに増えたため、午前9時21分、売買を停止し、システムトラブルが回復した午後1時45分に取り引きを再開しました。これについて、東証は、記者会見を開き、今回のトラブルの原因について、取引システムの性能を改善するためシステムを増強したものの、その際にプログラムにミスがあり、週末に行われたテストでもミスを発見できなかったことを明らかにしました。東証の先物商品などの取引システムは、ことし2月にもトラブルを起こしており、東証の鈴木義伯最高情報責任者は「ご迷惑をかけてたいへん申し訳ない。システムトラブルが起きてもすばやく対応が取れるよう体制を整えていきたい」と謝罪しました。

東証システム障害、原因はプログラムミス 担当役員が陳謝
 東京証券取引所は22日午後、国債先物取引など金融派生商品の取引停止を引き起こしたシステム障害について、記者会見した。21日までの連休中にシステム改良作業をした際、プログラムミスが発生したのが原因と説明した。
 会見したシステム本部長の鈴木義伯常務取締役は、「市場関係者に迷惑をかけたことを反省している」と陳謝した。東証のシステム障害は2月、3月に続き、今年3回目。鈴木常務は「トラブルをより起こりにくくする体制が東証はまだ弱い」と認めた上で、今後体制改善や社内処分を検討していく考えを示した。 (16:40)

東証のシステム障害「注文板の補強で一部不具合」
 東京証券取引所は22日、派生商品システムで障害が発生したことを受けて会見を開いた。鈴木義伯常務は障害が発生した背景を「性能を改善するため、(売買の注文状態を表す)板に関するシステムを補強したが、一部に不具合があった」と説明。具体的には「89銘柄を超えた問い合わせがあった場合、システムが停止してしまう」ことを明らかにした。板のデータを蓄える容量の上限を2万銘柄とするところを88銘柄に設定していたことが原因だという。
 新システムを納入したのは富士通。今後の対応について鈴木常務は「実損が出れば損害賠償なども検討する」と述べた。
 同日、システム障害が発生した影響で、東証株価指数(TOPIX)先物や国債先物取引など派生商品の取引は9時21分から一時停止され、13時45分から再開された。〔NQN〕(16:25)
7月22日 14時22分
22日午前、東京証券取引所の取引システムにトラブルが発生し、東証は、東証株価指数=トピックスや国債の先物などの取り引きを停止していましたが、午後1時45分から売買を再開しました。
東証では、22日午前9時の取り引き開始前から、一部の証券会社で主に機関投資家などが取り引きする東証株価指数=トピックスや国債の先物などの注文状況を見られなくなりました。その後、注文の状況を見られない証券会社がさらに増えたため、午前9時21分から売買自体を停止しました。東証では、午後の取り引きに入っても取り引きを停止していましたが、復旧作業を進めた結果、システムが正常に作動することが確認できたとして、午後1時45分から売買を再開しました。東証の先物商品などの取引システムは、ことし2月にもトラブルを起こしており、東証では今回のトラブルの詳しい原因について調べています。

東証、指し値注文状況配信できず TOPIX先物と債券先物
 東京証券取引所に上場する東証株価指数(TOPIX)先物と債券先物について、東証は指し値注文状況に関する情報を配信できなくなっていることが22日、分かった。原因については「現在調査中で、分かり次第公表する」(東証の広報担当者)としている。22日朝方から、配信できなくなっており、「データを受け取れていないのか、配信ができないだけなのかなどの詳細についても現在、調査中」(同)という。〔NQN〕(10:09)

東証システム障害が復旧、午後1時45分再開 金融派生商品
 東京証券取引所は22日、システム障害が発生したため、東証株価指数(TOPIX)先物や国債先物取引などの派生商品の午前の取引を停止した。午後零時半からの午後の取引もいったん停止したが、その後、システムが復旧。午後1時45分から取引を再開した。停止したのは先物や指数オプション、国債先物オプションなどデリバティブ(金融派生商品)のほか、東証上場の国債を含む合計6商品。現物株については通常通り取引された。
 この日は一部の金融機関の端末に情報を流すサーバーに障害が発生。注文状況などが表示されない状態となったため、午前9時21分に取引を停止した。国債先物も止まった結果、新発10年物国債の業者間取引も正午現在成立していないが、原因の詳細は不明。
 東証は派生商品を拡充するため、今年1月に富士通製の新システムを導入したが、導入直後の2月8日にプログラムミスが原因となってTOPIX先物の一部商品で取引が停止した。 (13:53)

2008年7月19日土曜日

ザ厚労省 舛添厚労省大臣

舛添厚労相「長寿国維持なら消費税引き上げを」
コメント閲覧(0件)コメント投稿/更新日:2008-07-19
 年金記録問題、後期高齢者医療制度を巡る混乱、薬害C型肝炎——。なぜ厚生労働行政は混乱をきわめているのか。昨年8月の就任以来、対応に追われ続けた舛添要一厚労相。今回の連載にあわせて、心の内を語ってもらった。 日経ネットPLUSではインタビューの詳細を伝える。
——7月末に高齢者支援などを盛り込んだ「五つの安心プラン」を打ち出します。その狙いは。 
「安心プランは福田康夫首相の提案だ。年金記録問題をギブアップを示唆するような部分は書き換えるよう要請したが、基本的には首相がしかけた。就任以来、首相も私も前政権の尻ぬぐいをやってきた。『骨太の方針2008』でも社会保障の話だけは別建てで特記したように、前向きな政策に打って出る」 「五つのうちの高齢者支援は後期高齢者医療制度の大混乱の反省に立つ。医師不足など医療問題への対応もある。子育て支援も入れる。
さらに日 雇い派遣はやめようと申し上げた。そして最後に厚労省改革。外部の人間を入れて総点検をしたい」 「福田康夫首相が官房長官だったときに小児科医を増やそうと言ったのに全然増えていない。5年間何をやっていたのか。そういう問題意識があったから医学部定員削減を決めた97年の閣議決定をひっくり返すことができた」 
——厚生労働行政はなぜ混乱が目立つのか。 
「小泉改革のマイナスの側面がでてきている。競争と安定のかみ合わせが悪くなっている。抜群に才能を持っていて健康なスーパーマンみたいな人でも60歳をすぎて病をわずらって寝たきりになる場合もある。一人の人生にはいつ光りが差し、影が差すか分からない。厚生労働省は影の部分を手当てする役所。市場経済原則から落ちた人を救わなければいけない。年金だけでぎりぎり生きている人の面倒を見なければいけない。影の部分に焦点が当たればたたかれるのは当然だ」
混乱が目立つ厚生労働行政(東京・霞が関の厚生労働省) 「小泉改革はさびついたものを切り落とす意味はあった。だが効率、競争を促した市場経済ですべてバラ色にはならなかった。バラ色じゃないから富を権威的に配分する政府がいる。本当は突然の首相交代でなければ明確に政策転換すべきだった。だから私自身は完全に政策転換をやっている」 「働き方を自由にしていいじゃないかというのは自由競争の論理であって人間の論理じゃない。現に結婚できない労働者だって出ている。これは政府の政策として改めるべきだ。障害者をどう救うか、難病にかかった人をどう救うか。25億円しかない難病対策費を4倍にしたのは政策転換の典型だ」 ——いま必要なのは「負担の調整」だ。 「富が増えることを前提にすれば、分配は簡単な話だ。例えば、独立行政法人つくって天下り、特別会計を肥大化させる…。年金記録の管理も名前を間違ったって30年後ならどうにでもなるという高度経済成長の発想だ。つまりデフレ下における政策立案ができていない」 「例えば英国はうまい方法をとってきた。サッチャー改革を小泉改革とすれば、いま必要なのはブレア的な改革。医療費はブレア前首相の時に倍増させて5年で立て直した」 「日本では医療費を抑制しようとする財務省との力関係を変えなければいけない。今年は『骨太の方針』で大田弘子経済財政担当相ともやりあった。どうにか社会保障と医師不足は削減対象の例外だと書くところまでいった」 「次に議論しなければいけないのは消費税。進んだ福祉社会であるスウェーデンや欧州連合(EU)諸国は軒並み20%前後の消費税を国民が負担している。本来は安倍政権から切り替わったときに負担を求める政策転換をやらなければいけなかった」 ——そもそも日本では負担の議論が入り口で止まってしまう。 「一部の厚労族議員が政策をまとめるプロセスは変わってきた。薬害C型肝炎問題も政治主導で決断した。首相が安心プランをきちんとや
4月にスタートした後期高齢者医療制度に対しては反対の声が広がった(東京・江東区役所の相談所)るから消費税を上げますと言っても選挙に負けるとは思わない。む しろ逃げたほうが政権を失う。おれは参院議員で選挙が無いから気楽だとの批判も受けるが、国民は変わってきている」 「消費税5%で、世界最高の長寿国になっているのは奇跡。だがもう無理だ。だからこのまま長生きしたいなら6、7、8%と税率をあげていくしかない。そのために医療政策を充実させますから負担もしてくださいと言っている。自民党はもっと(医師不足などで疲弊している)地方の意見を聞いたほうがいい。新宿で街頭演説なんかしちゃいけないんだ」 ——厚労省の政策は現場感覚とずれていると言われる。 「政策に無駄が無いことはない。そこはチェックする。ただ見直そうとすると、『私のしごと館』(京都府精華町)のようなハコモノをやめましょうという発想に集中してしまう。そうではなくソフト面、政策面での無駄を見直そうということだ。いらない規制や手続きがあるはずだ。そこにメスを入れるのが厚労省改革だ」 「なぜ医師や薬剤師などの資格を持つ技官にメスを入れ、聖域無く見直しを進めるのか。医療は医療費、医者の地域ネットワークなど様々な問題がある。が、事情は地域によって違う。拠点病院が無くても産科のネットワークがうまくいっている宮崎県のような例もある。先日、栃木県の大田原赤十字病院を視察したが、そこではこの病院と開業医がネットワークでつながっている。赤十字病院で急患をみたら、他の病院は赤十字病院のすべてのデータを読み出してみることができる。大病院に患者を集めてベッドがないと騒いでいるが、工夫次第で解消できる。だが技官はこういうことを考えたことがない」 「医政、健康両局長はGHQ(連合国軍総司令部)のときから医師が就いているが、行政官として優れているとは限らない。文官がなってもいい。ただその下には医者がいたほうがいいかもしれない。そういう見直しをやる。省改革の発端は年金記録問題と後期高齢者医療制度だが、私の問題意識はそれ以上だ」 ——社会保険庁の後継組織である日本年金機構は懲戒処分を受けた者を採用すべきではないとの厳しい意見が自民党内などで強まっている。  「感情的には分かるが、十分な知識無く言っている側面もある。年金機構に採用しなければ、厚労省本省で採用しなければならない。みのもんた氏は朝のテレビで 『なぜ首を切らないんだ』というが、彼は法律上、公務員の首を切れないことを知らないだろう。分限免職という制度はあるが、正当な理由が無い限り、訴訟が あったら負けてしまう。裁判で負けてもいいから首を切れというのは無責任だ。公務員を守らなければ中立的に働けなくなる」 「厚労省がまとめた年 金機構の基本計画は懲戒処分を受けた職員は1年の有期雇用でまず受け入れる。その1年で心を入れ替えて能力を発揮してもらえるかを判断する。これは法律も勘案した上での厳格なルールだ。誰が見ても優秀だったら正社員になれる道は残した。そうしないと、組織への忠誠心を失うからだ。はじめから辞めさせられる のが分かっていたら誰が一生懸命働くのか」 ——舛添厚労相はテレビメディアに批判的だ。 「みのもんた氏など代表的なテレビの顔に有権者 がマインドコントロールされてしまっている。政治がそれに乗ったら大衆の喝采を受けるかもしれないが、悲しむのも大衆だ。例えば年金機構で民間人を 1000人採用することになっているが、自民党は2000人に増やせという。だが一気に2000人もとれないだろう。足りなかったら結局、年金業務が行き 詰まる。知識の無いアルバイトを雇い、記録問題にあたることになる。泣くのは国民だ」 「自民党は選挙受けするために主張しているが、私は国民一人 ひとりのためにやっている。選挙に勝つか負けるか議論を進めるのはレベルの低い話だ。それは民主党にも言いたい。合理的に考え、政策にならないのが政治と もいえる。だが政策実現までには正論を吐かなければだめだ。テレビ民主主義にはそれがない」 ——年金記録問題の終わりが見えない。  「記録問題も薬害C型肝炎も時期を決め、そこを目指して解決に取り組んだ。だがその決意を『公約だったはずだ』と民主党などは批判する。段取りを決めずに取り 組んだら物事は進まない。8億5000万件の紙台帳記録のコンピューター記録の照合だってサンプル調査、システム整備と段取りを踏んで進めているだけだ」  「大事なのは国民の税金を無駄に使わないことだ。カネにも人にも制約がある。だから優先順位を付けることに意味がある。紙台帳の照合作業も受給者、加入者 の順位をつけてやる。民主党の長妻昭衆院議員は『すべて照合しろ』というが、カネを無尽蔵にかけていいのか。私が国民の立場なら反対する」 「10月まで記録漏れを注意喚起するねんきん特別便を送付するが、それまでに収束感は出てくるだろう。だがその後に記憶を思いおこす人もいる。だから年金機構に引き継ぐ過程で簡易に記録を確認できる仕組みをつくる。幕引きはしない」  ——7月の人事で主要幹部はほぼ留任。メッセージが伝わってこない。 「省内を把握していないのに大向こうを狙う人事はできない。とりあえずは安全運転。今回は継続性を重視し、来年は信賞必罰にする。改革推進室や作業委員会など外部の人を入れたチェックシステムを設けた」 「さらに組織改革もある。医薬品などの審査・承認を一手に担う米食品医薬品局(FDA)に似た組織をつくれば医薬食品局は必要ないかもしれない。紙と鉛筆で書くだけじゃ、砂上の楼閣。組織を根本からつくりかえる。非常に遅く見えるかもしれないが着実な手法だ」 
——厚労相が「役人に丸め込まれている」との批判もある。  「もちろん小泉純一郎元首相のように抵抗勢力をつくったほうが言い場合もある。ただ本当に物事を動かそうとするなら協力したほうがいい。在任わずか10カ月の大臣よりも20年間働いた役人のほうが専門知識があるのは事実だ。これを使わない手はない。レールの方向性は大臣が決め、みんなで押せばいい。丸め込 まれたという人もいるが、丸め込まれても何でもいい。国民のためになれば。政治は結果責任だ」

2008年7月18日金曜日

大リーガー 野茂英雄投手

野茂引退、先駆者に感謝の声続々=ラソーダ氏「殿堂入りを願う」-米大リーグ
 【ニューヨーク17日時事】米大リーグ挑戦の先駆者だった野茂英雄投手(39)の現役引退表明を受けて17日、日本人大リーガーや関係者から感謝の声が相次いだ。
野茂がドジャース入団時に監督だったトミー・ラソーダ氏は「彼の投球はセンセーショナルだった。大勢の人々を球場に呼び込んだよ。特にロサンゼルスでは」と述懐した。同氏はさらに「マウンド上でいつも精魂込めて投げてくれた。将来の大リーグ殿堂入りを願っている」と語った。 (了)(2008/07/18-12:34)

大リーグ日本人選手情報  NIKKEI NET7月18日
                  スポーツ大リーグ情報
野茂投手が現役引退決意 米進出の先駆者、力衰え
 【ニューヨーク17日共同】日本人選手の米大リーグ進出の実質的な先駆けとなり、日本と大リーグで通算201勝(155敗)を挙げた野茂英雄投手(39)が現役引退の決意を固めたことが17日、分かった。ことし4月にロイヤルズを自由契約となった後も獲得に乗り出す球団はなく「まだまだやりたい気持ちが強いが、プロ野球選手としてお客さんに見せるパフォーマンスは出せないと思う」と語った。
 野茂投手は今季、キャンプにマイナー契約の招待選手として参加し、開幕直後に3年ぶりのメジャー昇格を果たした。しかし、好結果を残せず4月20日に戦力外通告された。
 野茂投手は、ドラフト1位で1990年に近鉄入り。1年目に最優秀選手などを獲得。独特の投球フォームから「トルネード投法」と呼ばれた。
 95年にドジャースに入団、64、65年の村上雅則投手(当時ジャイアンツ)に次いで日本選手として2人目の大リーガーとなった。速球とフォークボールを武器にオールスター戦先発など1年目から大活躍し、ストライキの影響で関心が失われていた大リーグの人気回復に貢献。「ノモマニア」と呼ばれる熱狂的なファンも生まれ、新人王に選ばれた。また、ナショナル、アメリカン両リーグで無安打無得点試合を記録する史上4人目の快挙も達成。
 同投手の後を追って、イチロー(マリナーズ)松井秀喜(ヤンキース)両外野手ら日本選手が大リーグに挑むパイオニアの役割を果たした。〔共同〕
黒田博樹(ドジャース)
岡島秀樹(レッドソックス)
斎藤隆(ドジャース)
小林雅英(インディアンス)
野茂英雄(ロイヤルズ)     
城島健司(マリナーズ)
福留孝介(カブス)
井口資仁(パドレス)
岩村明憲(レイズ)
松井稼頭央(アストロズ)
田口壮(フィリーズ)
福盛和男(レンジャーズ)
薮田安彦(ロイヤルズ)
藪恵壹(ジャイアンツ)
井川慶(ヤンキース)

2008年7月17日木曜日

世界経済見通し改訂  ことし後半に減速へ

7月18日 6時36分
IMF=国際通貨基金は「世界経済見通し」の改訂を発表し、アメリカが下半期には小幅ながらマイナス成長に落ち込むほか、中国やインドなど新興国の成長も勢いを失うことから、世界経済がことし後半に著しく減速すると分析しています。
IMFは毎年春と秋に「世界経済見通し」を発表していますが、各国の経済情勢をより正確に示すため、夏に改訂を発表しています。17日発表された今回の改訂では、アメリカのことしの成長率を上半期の景気減速が予想ほど大きくなかったことから1.3%と、春の見通しに比べて0.8ポイント上方修正しているほか、日本の成長率も0.1ポイント引き上げ1.5%としています。ただ、アメリカ経済については原油と食料価格の上昇、金融市場の信用不安などを背景に、ことしの下半期は小幅ながらマイナス成長になると予想しています。また、これまで世界経済の成長をけん引してきた新興国の成長が勢いを失ってきたとして、これまで2けたの成長を続けてきた中国は9.7%、インドも8%の成長にとどまる見通しを示しています。こうしたことから、今回の改訂では「世界経済はことし下半期にかけて著しく減速する」と分析しています。

2008年7月16日水曜日

NY株価 大幅に値上がり

07月17日 09時43分
ニューヨーク株式市場は、アメリカの大手金融機関の決算内容が市場の予想よりよかったことや原油価格の値下がりを受けて不安感が和らぎ、平均株価の終わり値は270ドル以上値上がりしました。
16日のニューヨーク株式市場は、この日発表されたアメリカの大手銀行「ウェルズ・ファーゴ」など金融機関の決算内容が市場の予想よりよかったことに加えて、原油の先物価格が大幅に値下がりしたことで不安感が和らぎ、幅広い銘柄で買い注文が増加しました。平均株価の終わり値は、前の日に比べて276ドル74セント高い1万1239ドル28セントでした。一方、ニューヨーク原油市場は、この日発表された政府の統計でアメリカの原油の在庫が市場の予想を上回ったことから供給への懸念が収まり、売り注文が急増しました。この結果、国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格は、前日の終わり値に比べて一時6ドル余り値下がりして、1バレル=132ドルちょうどまで下落しました。市場関係者は「原油市場に流れ込んでいた投機的な資金が株式市場へと振り向けられた。市場での緊張感はいくぶん緩和されたが、あすから主要な金融機関の決算が相次ぐため、予断は許さない状況だ」と話しています。

2008年7月15日火曜日

社保庁後継計画、日本年金機構 採用基準甘い

社保庁後継計画、自民が厚労省案了承せず 採用基準甘い
 自民党は17日、厚生労働部会と社会保険庁改革ワーキンググループの合同会議を開いた。2010年に社保庁の後継組織として発足する「日本年金機構」について厚生労働省が提出した基本計画の了承を見送った。
 了承見送りは2度目。懲戒処分者の採用基準が甘いとの批判が相次いだため。 (13:55)

ヤル気なし社保庁  採用基準見直し困難と年金ゴマカシ政策
社会保険庁廃止、再来年1月に設立の日本年金機構のあり方めぐり、
政府は、年金記録の覗き見などで過去に懲戒処分を受けた職員採用は正規職員でなく
1年契約の有期雇用職員とする等の基本計画案を纏めた、
自民党の厚生労働関係の合同会議は「採用基準が甘すぎる」などとして再検討を求めている。 
これに対し、社会保険庁は、
▽処分歴のある職員の中には優秀な職員も大勢おり、今後の業務に支障が出るうえ、
▽処分を受けた職員を一切、採用しないとなれば、
ばん回するために努力している職員が勤務意欲をなくすなどとして、見直しは難しいとする考えをまとめた。 
社会保険庁では、こうした考えを、17日に開かれる自民党の合同会議に示すことにしているが、 
議員からは、国民の理解が得られないとして、あらためて見直しを求める声が出ることも予想される。

「ヤミ専従」不採用 政府・与党、社保庁後継組織で方針
 政府・与党は16日、休職許可を得ないまま組合活動をしていた社会保険庁の「ヤミ専従」職員の経験者を、後継組織の「日本年金機構」に採用しない方針を決めた。
 自民党のプロジェクトチーム(PT、葉梨康弘座長)が同日、方針を盛り込んだ日本年金機構法改正案の要綱をまとめた。厚生労働省も17日の自民党の厚生労働部会などの合同会議で、ヤミ専従職員の不採用を明記した年金機構の基本計画を提示する運びだ。

2008年7月14日月曜日

厚労省で遊び業務無関係のHPに12万件

7月14日 16時18分
厚生労働省にある公用のパソコンからチャットやゲームなど業務とは関係のないホームページへのアクセスが1日12万件余りに上ることがわかり、舛添厚生労働大臣は職員に対し、パソコンを適正に利用するよう注意を促す考えを示しました。
厚生労働省が、ことし5月、本省と全国の8つの地方厚生局にある公用のパソコン5500台の利用状況を調べたところ、1日およそ1000万件あるホームページの閲覧数のうち、業務とは関係のないホームページへのアクセスが12万2000件に上ることがわかりました。このうち▽最も多かったのはチャットや掲示板などへのアクセスで7万5000件、▽次いでゲームやその関連が4万1000件、▽お笑いや演芸が6000件などとなっていて、厚生労働省は先月18日から、これらのホームページについては事前に許可を得なければ閲覧できないようにしました。これについて舛添厚生労働大臣は、記者団に対し、「業務と関係のないホームページの閲覧は職務中にすべきことでない。きちんとルールを作り、職務に専念するよう注意喚起していきたい」と述べ、職員に対し、パソコンを適正に利用するよう注意を促す考えを示しました。

2008年7月13日日曜日

米株2006年7月24日来安値

米国株、続落――ダウは45ドル安、ナスダックは26ポイント安、金融株安で
【NQNニューヨーク=川内資子】14日の米株式相場は続落。ダウ工業株30種平均は前週末比45ドル35セント安の1万1055ドル19セントと2006年7月24日以来の安値で終えた。ナスダック総合株価指数は同26.21ポイント安の2212.87と3月19日以来の安値で終えた。米金融機関の住宅ローン関連業務の不振や損失計上は今後も続くとの見方から、地方銀行などを中心に売りが出た。
 13日に米政府や米連邦準備理事会(FRB)が米政府系住宅金融会社への支援策をそれぞれ発表した。これを好感し、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)や米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)を含む金融株に買い戻しが先行した。ダウ平均は朝方に100ドル超上昇する場面があった。
 しかし、買いは続かなかった。資金繰り悪化の思惑が出たナショナル・シティや、アナリストが投資判断を引き下げたザイオンズ・バンコーポレーションなど地方銀行株を中心に売りが膨らんだ。地銀で住宅ローン大手のインディマック・バンコープが先週末、経営破綻しており、住宅ローン関連の業務の不振が引き続き地銀の業績を押し下げるとの見方が強まっているという。ダウ平均構成銘柄でもバンク・オブ・アメリカやシティグループなど金融株の下げが目立った。
 S&P500種株価指数は1228.30と06年6月13日以来の安値で終えた。業種別S&P500種株価指数では全十種のうち、「金融」や「公益」など八種が下げた。
 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は(速報)で約14億1000万株。ナスダック市場(速報)は約20億7000万株だった。

2008年7月11日金曜日

金高値960.6ドル原油高値更新で

NY金、3日続伸 終値960.6ドル、一時約4カ月ぶり高値
11日のニューヨーク金先物相場は3営業日続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である8月物は前日比18.6ドル高の1トロイオンス960.6ドルで終えた。一時969.1ドルまで上昇し、中心限月として3月19日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。原油先物相場の上昇や米金融機関の先行き不透明感を受け金買いが優勢だった。
 原油先物相場が過去最高値を更新したことから、インフレに強いとされる金が買われた。米金融機関の財務不安などを背景に株式相場が一時急落したことを受け、安全資産として金に買いが入った面もあるようだ。この日の安値は942.6ドル。

金投資
NY金、3日続伸 終値960.6ドル、一時約4カ月ぶり高値 (7/12)
NY金、大幅続伸――8月物は942.0ドルで終了 (7/11)
NY金、反発――8月物は928.6ドルで終了、イランのミサイル発射報道で (7/10)
NY金、3日続落――8月物は923.3ドル 原油安やドル高で (7/9)
NY金、続落――8月物は928.8ドルで終了、朝安後下げ渋り (7/8)
NY金、反落――8月物は933.6ドルで終了、ドル急反発で金に売り (7/4)
NY金、続伸――8月物は946.5ドルで終了、ドル安で (7/3)
NY金、反発――8月物は944.5ドルで終了、一時2カ月半ぶり高値 (7/3)
NY金3日ぶり反落、8月物は928.3ドル (7/1)
NY金、大幅続伸――8月物は931.3ドル、一時1カ月ぶり高値 (6/28)
NY金、大幅に反発 8月物915.1ドルで終了、一時1カ月ぶり高値 (6/27)
NY金大幅反発、8月物915.1ドル 一時1カ月ぶり高値 (6/27)
NY金、反落――8月物は882.3ドル、原油につれ安、FOMC声明控え (6/26)
NY金、3日ぶり反発 8月物891.6ドル (6/25)
NY金、大幅続落 (6/25)
NY金、6日ぶり反落 8月物は903.7ドル (6/21)
NY金、5日続伸――8月物は904.2ドル、一時911ドルまで上昇 (6/20)
NY金、続伸 8月物は893.5ドルで終了 (6/19)
NY金、3日続伸――8月物は886.9ドル、ドル弱含み金買い優勢 (6/18)
NY金、続伸――8月物は886.3ドルで終了、ドル安で (6/17)
NY金、小反発――8月物は873.1ドルで終了、週末控え買い戻し (6/14)
NY金反落、8月物終値872.0ドル (6/13)
NY金、3日ぶり急反発――8月物は882.9ドル、ドル安・原油高で (6/12)

2008年7月6日日曜日

地球温暖化 ドイツと日本 政治が決め手

「エネルギー転換」。CO2部門別排出量の中で最も多い発電の分野を、風力や太陽光などの自然エネルギーに転換する必要が叫ばれている。しかし日本では、電力業界の事情や法的な制約によって導入がなかなか進んでいない。一方ドイツでは、電力会社が自然エネルギーをすべて買い取る制度を政治の力で実現。風力や太陽光発電などの割合が急速に伸び、すでに全体の10%を超えた。さらに新エネルギー産業による新たな雇用も生み出している。日本でエネルギー転換をどう進めていくのか。ドイツと比較しながら考えてゆく。
日本の産業界は自主目標を掲げて省エネ対策に取り組み、CO2を削減してきた。一層の削減を求める声に対して産業界は、「日本のエネルギー効率は世界トップレベルにあり、これ以上の対策は難しい。」としている。こうした中、アメリカでは温暖化対策に後ろ向きだった産業界に、排出規制や排出権取引の導入を求める動きが出始めた。EUに続きアメリカも排出規制へと動く中、日本の産業界の対応が注目されている。日本企業の温暖化対策の現状や、排出権取引の導入を目指す東京都、アメリカ産業界の動きなどをもとに、産業界の温暖化対策について考えていく。

2008年7月5日土曜日

温暖化ガス削減出来ぬ政府と経団連の密約

2008年7月4日放送
排出量削減できず・・・「京都議定書」の裏に"密約"
1997年、先進国に対して二酸化炭素などの温暖化ガス削減を義務付けた「京都議定書」が採択された。日本の削減目標は1990年を100とすると、マイナス6%の94。しかし2006年度の排出量は、その目標に近づくどことか、逆に6.2%も増えてしまった。なぜ日本の温暖化対策は進まないのか?足かせとなっている背景には、日本が京都議定書を批准する際、経済産業省と経団連との間に結ばれた、ある"密約"があった。10年以上にわたり環境問題の取材を続けている朝日新聞の竹内敬二編集委員は、日本の温暖化対策が進まない理由をこう指摘する。「日本の温室効果ガスが減らない最大の理由は、減らすための大きな仕組みがないこと。政府は産業界、とりわけ経団連に気を使いすぎて、積極的な政策が展開できないでいる。これが日本の状況だと思う」2001年の春…京都議定書の発効に暗雲が立ち込めていた。誕生したばかりのアメリカ・ブッシュ政権が「途上国に対する義務付けがない」と突如、議定書からの脱退を表明したのだ。議定書の発効のためには、全先進国の排出量のうち合計で55%以上を占める国の批准が必要だった。最大の危機を迎えた中、命運はうち8.5%を占める日本の動きにかかっていた。しかし、国内には経団連を中心とした産業界という圧倒的な反対勢力が立ちはだかっていた。すでに産業界では自主的な行動計画に従い、業界ごとの排出削減に実績を上げていたのだ。当時、経団連の環境委員長だった山本一元氏はこう語る。「雇用へ向き合い、国際競争をやり、削減コストを負担する・・・まさに"三重苦"だった。我々としては、できない約束をしてはいけない。確実にできることをやらなければならない」2001年4月、就任直後の小泉総理はアメリカに配慮しながらも批准の道を模索していた。事態が一変したのは、その年の7月にドイツで開かれた国際会議だった。この交渉で日本は『6%削減のうち、3.8%を森林で吸収する』という要求を通そうとしていた。実現すれば日本の削減負担は大きく軽減され、産業界の負担も減る。これにヨーロッパは難色を示していたが、会議の終盤になって大幅に譲歩し、日本は3.8%の「森林吸収」を満額回答で勝ち取ったのだ。朝日新聞の竹内敬二編集委員は「欧州は、日本の要求を蹴っていては本当に京都議定書は壊れるかもしれないと心配した。3.8%というのは、いわば日本のゴリ押しの結果」と語る。日本の要求が通ったいま、残された課題は産業界との調整だった。しかし、アメリカ抜きでの批准はできないとする経団連の主張は変わらなかった―――。タイムリミットが迫る中、とある経団連首脳の下を経済産業省の幹部が極秘に訪れ、批准に反対する経団連を納得させるための話し合いが行われていた。「我々の排出量の自主行動計画はプラスマイナス0以下。マイナス6%なんてできっこない。民間への介入は反対だ」とする経団連首脳に対し、「いまさら環境に後ろ向きの姿勢を示すことはできない」とする経済産業省幹部。一方の経団連もアメリカ抜きの批准に反対しながら、批准に向けた世論の高まりを気にかけていた。元経団連環境委員長の山本一元氏は、当時の様子をこう語る。「公平感が味わえるような新たな仕組みを作って欲しいと、繰り返しお願いしていた。ただ、世論は経団連に対しては非常に厳しかったのは事実」経団連は「温暖化対策の大綱には、"環境と経済の両立"という言葉を必ず入れてくれ」という条件を出した。"環境と経済の両立"という言葉は、削減目標に取り組む上で、経済活動は妨げないという政府の確約を求めたもの…。経済産業省側もその条件を受け入れて、経団連首脳に対してこう確約した。「日本政府として京都議定書は批准しても、環境税や排出量取引制度といった強制的な措置は産業界に課さない」と。小泉内閣と産業界―――双方の思惑の一致。産業界に強引な措置は課さないという"密約"は結ばれた。翌2002年3月に閣議決定された「地球温暖化対策の大綱」。基本方針の筆頭には、"環境と経済の両立"という言葉が明記された。この"密約"は外部には一切公表されず、文書にも残されていない紳士協定だった。そして6月、日本は京都議定書を批准した。それから6年、この間、産業界は排出量をほぼ横ばいにとどめ、政府も強制的な措置は避け続けた。しかし、"密約"の効力も永遠ではない。先月、新たな温暖化対策「福田ビジョン」が発表された。産業界が強く反発する「排出量取引」や「環境税」の導入を政府として初めて、検討すると盛り込んだ。"密約"の想定は、あくまで京都議定書の期限である2012年までだという。

2008年7月4日金曜日

日経平均54年ぶり12日連続下げ

東証大引け・小幅に12日続落 薄商いで売り優勢・実体経済に不安
 4日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に12日続落。大引けは前日比27円51銭(0.21%)安の1万3237円89銭だった。4月16日(1万3146円13銭)以来の安値水準まで下げた。3日の米株式市場でナスダック総合株価指数が小幅に続落したことで日経平均に対する寄与度の高い東エレクやアドテストといった値がさハイテク株が売られた。原油高が及ぼす国内外の実体経済への悪影響に対する警戒感は払拭(ふっしょく)されておらず、相場の重しになったほか、マンションの販売不振の長期化懸念から野村不HDなどマンション関連株が売られた。東証株価指数(TOPIX)は小幅に8日続落だった。続落記録は2007年11月2―13日(8日続落)以来。
 日経平均は12日続落で1214円下げた。1954年4月28―5月18日(15日続落)以来、54年ぶりの続落記録だった。きょうの米市場が独立記念日で休場になる影響で、買い手が限られたことから軟調に推移したとの声も出ていた。朝方は外国為替市場で円相場が前日17時の水準よりも円安・ドル高で推移したことからトヨタなど輸出関連株の一角を中心に買いが先行したが、その後は下げに転じ、一時は下げ幅が100円を超す場面があった。ただ、取引時間中の安値を下回らなかったため、大引けにかけて下げ渋った。
 東証1部の売買代金は概算で1兆9646億円にとどまり、6月24日(1兆7292億円)以来、8営業日ぶりに2兆円を下回った。売買高は同18億2840万株にとどまり、心理的な節目の20億株を3日ぶりに下回った。値下がり銘柄数は748、値上がりは839、変わらずは138。〔NQN〕(15:37)
日経平均、54年ぶり11日続落
54年ぶりに11営業日連続で下落した日経平均株価=3日午後、東京・有楽町
 3日の東京株式市場で日経平均株価は小幅ながら11日続落。1954年の4月28日から15日間連続して下落して以来、54年ぶりの続落記録となった。大引けは前日比20円97銭(0.16%)安の1万3265円40銭だった。原油先物相場の上昇基調継続や米株式相場の先安観の強まりなどを背景に、持ち高を減らす売りが優勢だった。東証株価指数(TOPIX)は7日続落で、4月17日以来、約2カ月半ぶりに1300を割り込んだ。
 2日の米国株式市場では、原油先物相場が上昇基調を強めたことでインフレ懸念が高まり、株式相場は下落した。ダウ工業株30種平均は反落し、昨年10月に付けた過去最高値からの下落率は「弱気相場」入りの目安となる2割を超えた。東京市場でも米国株式相場の一段安を警戒した売りが優勢だった。〔NQN〕(17:55)

2008年7月3日木曜日

株価低迷 資金調達35%減少

サブプライムローン問題をきっかけにした金融市場の混乱などで株価が低迷しているため、ことし1月から先月までの半年間に、世界の企業が株式に関連する市場で調達した資金の総額はおよそ30兆円と、去年の同じ時期よりも35%余り減少したことがわかりました。
外資系の調査会社「トムソン・ロイター」によりますと、ことし1月から先月までの半年間に、世界の企業が株式に関連する市場で調達した資金の総額は、去年の同じ時期よりも35.4%少ない2832億ドル、日本円でおよそ30兆円でした。このうち、日本企業が調達した資金の総額は67億ドル、7000億円余りと、去年の同じ時期と比べて55%減少しました。上半期の日本企業の調達総額が100億ドルを下回ったのは、統計を取り始めた平成12年以来、初めてのことです。世界の株式関連市場で資金調達額が大幅に減ったのは、サブプライムローン問題をきっかけにした金融市場の混乱や、原油価格の高騰などで世界の景気に不透明感が強まり、株価も低迷していることが背景にあります。企業が新たな資金調達に慎重になっていることで、今後は、設備投資の減少などを通じて世界経済にマイナスの影響として跳ね返ってくることが懸念されます。

2008年7月1日火曜日

NY株価 一時は年初来最安値

ニューヨーク株式市場は、原油価格の高騰を受けて売り注文が膨らみ、取り引き時間中としての年初来の最安値を更新しましたが、その後、値下がりした銘柄を買い戻す動きも出て、終わり値は前の日に比べてわずかながら値上がりして取り引きを終えました。
1日のニューヨーク株式市場は、朝方、原油市場の先物価格が1バレル・143ドルを突破し、史上最高値に迫る勢いで上昇したことから、企業業績が悪化するという懸念が広がり、幅広い銘柄で売り注文が膨らみました。平均株価は、一時160ドル以上値下がりして、取り引き時間中としての年初来の最安値を更新しました。しかし、その後、自動車の販売統計が市場の予想を上回ったことをきっかけに、値下がりした銘柄を買い戻す動きが強まり、結局、平均株価の終わり値は前日より32ドル25セント高い1万1382ドル26セントでした。市場関係者は「金融機関の業績が悪化するという観測も広がり、神経質な相場展開となった。2日後に発表される雇用統計の内容に注目が集まっている」と話しています。

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