2010年7月1日木曜日

日銀短観2年ぶりプラス大企業・製造業の景況感


日銀短観、2年ぶりプラスに 大企業・製造業の景況感 2010年7月1日11時12分

 日本銀行が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の景況感を表す業況判断指数(DI)が5四半期連続で改善し、プラス1となった。
プラスに転じるのは、リーマン・ショック前の2008年6月調査以来2年ぶり。
足元では欧州経済が不安視されているものの、好調な新興国経済に引っ張られ、
景気が回復をたどっていることが示された。
 DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値。
四半期ごとに発表しており、今回は5月26日~6月30日に調査した。
対象は全国の1万1411社で、98.7%が回答した。
 自動車や電機などの主力産業を含むために注目度が高い大企業・製造業のDIは、
前回3月調査から15ポイントの大幅改善となった。
自動車は20ポイント、電機は18ポイント、設備投資と関係が深い汎用機械は27ポイント改善。
大企業・製造業では主力16業種すべてのDIが改善したが、これは94年8月調査以来だ。
中国など新興国向けの輸出、生産が好調なことが主因とみられる。
 大企業・製造業のDIを三つの選択肢別に見ると、「良い」と答えた企業が前回の10%から18%に増加。
「さほど良くない」は66%から65%、「悪い」は24%から17%に減った。
 外需主導で進んできた景気回復は、内需産業にも及びつつあり、大企業・非製造業のDIは9ポイント改善のマイナス5になった。
宿泊・飲食サービスが21ポイントの大幅改善になったほか、小売りも5ポイント改善した。 設備投資も動き始めた。
大企業・製造業の10年度の設備投資計画は前年度比3.8%増。0.9%減だった前回調査から上方修正され、
3年ぶりのプラスに転じた。
 しかし、先行きには不安が残る。
今回の調査では回答の8割程度が6月10日までに集められ、直近の円高・株安傾向は十分反映されていない。
事業計画の前提になっている為替レートも尋ねているが、大企業・製造業の10年度の想定は1ドル=90円18銭。
今の円高水準が続けば、輸出産業の収益は圧迫される。
 秋以降はエコカー補助金などの政策効果もなくなり始める。
大企業・製造業の先行きのDI(9月見通し)はプラス3で、今回からの改善幅は2ポイントにとどまっている。

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