2008年12月23日火曜日

鹿島 キャノン裏金

鹿島、十数億円の裏金づくり キヤノンの発注工事で(1/2ページ)
2008年12月29日3時0分
キヤノン工場建設をめぐる裏金工作の構図
 大手ゼネコン「鹿島」(本社・東京都港区)などが、キヤノン(本社・同大田区)から請け負った工事を舞台に、少なくとも十数億円の裏金をつくっていたことが関係者の話で分かった。大阪市のコンサルタント会社社長(61)が関係するグループ会社が裏金の受け皿で、このグループから計30億円前後が現金で引き出されていたことも判明。裏金の総額がさらに増える可能性が高い。工事受注のための工作費に使われたとみられている。
 裏金づくりの舞台は、キヤノンのプリンター関係の工場、研究施設の本体工事や土地の造成工事に絡むもの。最初に受注した鹿島は実際に工事を行う一方、様々な会社や業者、共同企業体(JV)などに工事を下請けに出し、最終的には大阪市のコンサルタント会社社長が関係するグループ会社が請け負う「裏金ルート」をつくっていた。ところが国税当局の調査などで、このグループ会社は工事をしておらず、外注費は架空だったことが判明した。
 帳簿などで裏付けられた裏金は十数億円で、この裏金づくりの工事ではグループ会社の2社が最終的な請負会社になっていた。グループの別の2社も、各地のキヤノンの大規模工事で下請けに入っていたがいずれも工事はしておらず、これらも裏金づくりのルートとして利用されていた可能性が高い。
 グループ会社の口座からは05年から06年にかけて計30億円前後が現金で引き出されていた。このうち1社は出金後の07年6月に倒産した。
 業界関係者は社長について「暴力団など裏社会に顔が利き、ゼネコンなどの裏金づくりの際に支払先を装う役回りをする人物として有名だ」と話す。社長は朝日新聞の取材に対し、「話すことは何もない」と話している。
十数億円の裏金づくりは、3ルートに分けられる。ひとつは、インクジェットプリンターの研究開発施設を建設する川崎市の「塚越プロジェクト」(04年着工)に絡むもの。福岡国税局が「九電工」(福岡市)の外注費を架空として、約2億円の所得隠しを指摘した。同社は「見解の相違があった。意図的な所得隠しではない」としている。
 二つ目は、大分市のプリンターカートリッジ工場の建設をめぐるもの。東京国税局が約5億円について鹿島に所得隠しを指摘したことが明らかになっている。三つ目は、鹿島が大分県土地開発公社から請け負った工場用地の防水工事やフェンス工事に絡む。水増し外注の手口で、05年から06年に計約8億円の裏金をつくっていたという。鹿島は「個別の工事のことはコメントできない」としている。
 キヤノン広報部は「当社が発注した工事で、不正な裏金工作が横行していたことは大変迷惑であり、非常に憤っている」としている

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