2009年2月24日火曜日

株安再び世界市場覆う 年初来下落幅16~21%

株安の波、再び世界市場覆う 年初来下落幅16~21% 2009年2月24日22時1分

  
 世界の金融市場に株安の波が再び押し寄せている。24日の東京株式市場では、日経平均株価が取引時間中に7155円16銭をつけ、終値でのバブル後最安値の7162円90銭を一時下回った。昨秋の「リーマン・ショック」後のパニック的な株安は欧米金融大手への公的資金注入などで収まったが、世界的な景気悪化から金融不安が再燃し、米国主導でじりじりと株価は下落。日本政府は、株式買い取りなど対策の検討を始めた。
 24日の日経平均の終値は前日比107円60銭(1.46%)安い7268円56銭となり、年初の1月5日からの下落幅は約20%マイナスの1774円に達した。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は5.00ポイント(0.68%)低い730.28でバブル後最安値を前日に続いて更新した。
 日本時間の24日夕方から取引が始まった欧州の株価指数も下落基調で、ドイツでは04年以来、フランスでは03年以来の安値水準となった。
 日本、米国、英国の株価はオバマ政権発足への期待で年初に一時上昇したが、その後はそろって下落。1月5日からの下落率は英国が約16%、米国が約21%。米国の下落が目立ち、今月10日に政府が不良債権処理策を発表してから下げが加速した。米金融大手の経営悪化に歯止めがかからないうえ、米国の対策が巨額の税金投入を回避して民間資金に頼る枠組みで、「相変わらず当座しのぎだ」(市場関係者)と見なされたためだ。
 市場にはシティグループなどが「国有化され、株式の価値は急落する」との懸念が広がった。シティ株は一時1ドル台と1年前の20分の1に。再建に向けた労使交渉が難航するゼネラル・モーターズ(GM)株も1ドル台に沈んだ。

 シティ株などはその後持ち直したが、業績の悪化が続けば、再び売りの標的になりかねない。欧州でも東欧やアイルランドでの金融危機が次々に表面化し、英国など主要国も景気後退にあえぐ。経済の先行きは不透明な情勢だ。
 日本でも08年度の上場企業倒産は過去最悪ペースで増加。ソニーや東芝の株価は昨夏の3分の1以下に。08年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で2ケタのマイナスに落ち込んだ。
 「リーマン・ショック」以降、金利引き下げや金融大手への公的資金注入が相次いで打ち出された。米オバマ政権への期待もあって、市場はいったん落ち着いたが、景気の悪化で「つっかい棒が一気に外れた」(金融関係者)形だ。みずほ総合研究所の長谷川克之市場調査部長は「各国は『逃げ水』を追いかけるように対策を打っているが、市場は対策の難しさを見透かしている」と指摘している。

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