米国株、ダウ9000ドル割れ――5年ぶり安値、金融急落・GM31%安
9日の米株式相場は連日の急落。ダウ工業株30種平均は7日続落し、前日比678ドル91セント安の8579ドル19セントと2003年5月21日以来、約5年5カ月ぶりの安値で終えた。米金融機関への公的資金注入の思惑が広がる一方、世界的な金融・景気不安の根強さから金融株を中心に売りが膨らんだ。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は95.21ポイント安の1645.12で終え、03年8月8日以来の安値水準を付けた。
ポールソン米財務長官が前日、金融機関への公的資金注入を示唆する半面、すべての金融機関が救済されるわけではないと指摘した。このところ米連邦準備理事会(FRB)や米政府が相次いで金融不安の解消に向けた対策を講じているが、株価は下げ止まる兆しが見られない。市場では資金注入などの支援策が実際に実行に移され、効果が確認されるまで買いを入れづらいという。朝方こそ反発して始まったが、市場心理の弱さが続く中で現金化を急ぐ投資家が多いといい、次第に売りが優勢になった。
金融関連株への空売り禁止措置が解除されたことも市場心理を圧迫した面がある。短期金融市場に落ち着きが見られないなか、金融株を中心に売りが膨らんだ。業績悪化懸念に加え、この日格付け会社が格下げ方向の見直し対象にしたゼネラル・モーターズ(GM)が31%急落したことも重し。ダウ平均は取引終了にかけて見切り売りが広がり、一段安となって終えた。
S&P500種株価指数は75.02ポイント安の909.92と、2003年4月下旬以来の安値で終えた。業種別S&P500種株価指数は全十業種が下落。「金融」「エネルギー」がともに約12%下落した。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は3%下げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約20億1400万株(速報値)、ナスダック市場は約29億8000万株(同)だった。
アメリカン・エキスプレスやバンク・オブ・アメリカなど金融株が下落。フォード・モーターは約22%急落。9月の既存店売上高が二ケタの下落率となったギャップが約10%安。前日夕に発表した決算速報値で一株利益が予想以上だったIBMも相場全体の売りに押された。
半面、人員削減などリストラ策を発表したマイクロン・テクノロジーが小幅高で終えた。(09:49)
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