2009年1月23日金曜日

取り残される環境問題日本

環境分野の公共投資によって経済の活性化を目指すアメリカの「グリーン・ニューディール政策」は、今後世界の環境対策の流れを大きく変えると見られ、専門家からは、日本が遅れをとるおそれもあると指摘が出ています。
「国連環境計画・金融イニシアチブ」の特別顧問で、温暖化対策を話し合う政府の有識者会議の委員も務める末吉竹二郎さんは、オバマ大統領の環境政策について、日本の対策のはるか先を行くものだと評価しています。特に、太陽光や風力など再生可能エネルギーによる発電量は2012年に電力全体の10%と、高い目標を義務づける方針で、日本の目標は、2014年にわずか1.6%にすぎません。末吉さんは「高い目標を義務づければ企業は安心して事業を展開できるようになり、この分野の成長が促される。政治による方向づけが状況を変える」と話しています。また、末吉さんは、オバマ大統領の環境政策は、企業の二酸化炭素の排出を規制する一方で、排出枠を売って得られる収益からおよそ1500億ドル、14兆円近くを環境産業に投資することで500万人の雇用を生み出そうとしている点にも特徴があり、二酸化炭素の排出規制を先送りしている日本とは対照的だといいます。末吉さんは「アメリカだけでなく、ヨーロッパも中国や韓国も意欲的な環境政策を始めている。日本は取り残されるおそれがあり、将来を決める重要な時期にきている」と指摘しています。

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