2009年1月25日日曜日

騙しのグッドウィル380億円欺かれる


グッドウィル欺き380億円、買収仲介の会計士ら中抜き

 総合人材サービス会社で東証1部上場だった旧グッドウィル・グループ(GWG)による人材派遣会社の買収に絡み、GWGが支払った883億円のうち約380億円が取引を仲介したファンド運営会社ら3者に流れていたことがわかった。
 実際の買収価格は1株あたり96万円だったが、運営会社は倍以上の231万円と提示。GWGを欺いて、買収に乗じて巨利を手にしていた。
 GWGの開示資料によると、同社は2006年10月、業界大手の「クリスタル」を買収するため、別のファンドを通じて「コリンシアン投資事業有限責任組合弐号」(コリンシアンファンド)に883億円を出資、同ファンドがクリスタルの創業者から取得した同社株91%分のうち67%分を手にして子会社化した。出資のため、みずほ銀行から871億円の融資を受けた。
 関係者によると、契約書に記されたファンドの組合員(出資者)はGWGのほかファンド運営会社「コリンシアンパートナーズ」、格闘技団体代表、投資事業会社の元代表の3者。
 パートナーズの社長だった公認会計士(51)はGWGに対し「ファンドへの出資額は1185億円で、GWGの出資比率は74%。残り302億円はほかの投資家が出資する」と説明したが、実際にはGWG以外の出資金はゼロだった。
 買収話はそもそもクリスタル側から売却の意向を聞きつけた会計士が、格闘技団体代表らを通じてGWGの折口雅博元会長(47)に提案した。
 会計士らは実際には発行済み株式の91%にあたる5万1825株を約500億円(1株96万円)で取得し、即日、GWGに対し、説明した架空の出資比率に基づいて3万8190株(1株231万円)を提供。ファンドに残った約380億円のうち約180億円と1万3635株(約131億円相当)をパートナーズが受け取り、約200億円を格闘技団体代表らが分け合った。
 コリンシアンファンドは07年7月に解散。パートナーズは180億円から経費を差し引いた収益を08年4月期の所得として申告したが、法人税など約40億円を滞納している。
 GWGから社名変更したラディアホールディングスは「株の取得価格は適正だったと考えている」としている。公認会計士らは取材申し込みに、25日までに応じていない。

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