2011年8月23日火曜日

NHK 原発報道の資格なし2011年8月21日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ

<運用資金あるなら受信料下げろ>

福島第1原発事故から、一貫して批判されてきたのがNHKの原発報道だ。
原子力村の御用学者を重用し、「メルトダウンはしていない」「安全だ」と繰り返してきた。
でも、実際はチェルノブイリ並みのレベル7で、国民はだまされてきたわけだ。
“皆さまのNHK”が、なぜあからさまな原発推進報道をしてきたのか。
どうもおかしいと思ったら、やはりNHKと電力会社はウラでつながっていた。
「平成22年度 財産目録、貸借対照表、損益計算書、
資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書に関する説明書」によると、
NHKは総額900億円超の事業債を保有している。
保有金額の上位5社は電力会社で、東京電力(保有数23/金額145億円)、
中部電力(9/68億円)、関西電力(12/65億円)、中国電力(10/51億円)、
東北電力(7/45億円)の順だ。
事故に関連して致命的な失態が明らかになり、
東電の会社存続がかなわなくなった場合、
ステークホルダーであるNHKも甚大な損害を被ることになる。
事故の闇に迫れば迫るほど、自分たちの首を絞めてしまうという関係。
これで中立的な報道ができるのか。
立大教授の服部孝章氏(メディア法)はこう言う。
「今回の事故で、東電は情報隠しを行ってきた。
それを暴く立場の報道機関が利害関係者では、視聴者は不信を抱く。
実際、3月の事故直後にどこよりも『原発は安全だ』と報じてきたのはNHKです。
NHKは、なぜ東電債を保有しているのか、なぜ資産運用が必要なのか、
会見を開いて説明すべきです」
3日に成立した「東電救済法」は、東電のステークホルダーを守り、
国民に負担させるというもの。
NHKが持つ東電債も保護された。
NHKは胸をなで下ろしているかもしれないが、国民は納得できない。
そもそもNHKは営利目的の民間企業とは違う。資産運用など必要ないはずだ。
運用に回すほどカネが余っているなら、受信料を下げるべきではないか。
これに対してNHK広報局は、
「視聴者の皆さまからご負担いただいている受信料を、
少しでも有効に活用するため資金の運用を行っています」
「報道にあたっては、視聴者に必要な情報を正確にお伝えしています」とコメントした。
偏った報道が東電債の保有と関係ないとすれば、
ハナからNHKには真実を見抜く力がないということになる。
(日刊ゲンダイ2011年8月18日掲載)

0 件のコメント:

ブログ アーカイブ