2008年1月15日火曜日

“米の景気後退は長期化か”

アメリカのサマーズ元財務長官は議会で証言し、雇用情勢の悪化などを受けて、アメリカの景気が後退し、深刻な状況が長引く可能性が高まったという認識を示しました。
前のクリントン政権で財務長官を務めたサマーズ氏は16日、上下両院の合同委員会で証言し、雇用情勢の悪化や大手金融機関の業績の低迷を指摘したうえで、「アメリカの景気後退が迫っており、到来すれば金融市場の混乱も相まって、長く、深刻な状態が続くだろう」と述べました。そのうえで、FRB=連邦準備制度理事会の金融緩和政策に依存を続けると、低金利からドル安を招き、原油価格を押し上げかねないとして、あわせて1500億ドル、日本円にして16兆円余りの景気対策の必要性を訴えました。サマーズ元財務長官は、具体策として、すべての国民に対する税金の還付や失業保険の受給期間の延長などをあげ、「景気後退が迫る中で財政支出を渋るようなことがあってはならない」と述べて、議会に景気対策の策定を急ぐよう求めました。アメリカでは景気の先行きに対する不安が強まる中、政府が景気対策を打ち出すかどうかに注目が集まっています。 1月17日 5時56分

FRB議長 景気刺激策が必要
FRBのバーナンキ議長は、17日、議会下院の委員会で証言し、サブプライムローンと呼ばれる低所得者向けの住宅ローンの問題をきっかけとした景気の悪化が一段と深刻になっていることを認めたうえで、「追加的な金融緩和が必要となるだろう。リスクに対応するため、断固たる措置をとる用意がある」と述べて、今月末に予定されている公開市場委員会で大幅な利下げに踏み切る姿勢をあらためて示しました。そのうえで、「景気後退を予測しているわけではないが、景気の低迷はおそらく来年に入っても続くだろう」と述べて、アメリカの景気減速が当面続くという見通しを示しました。一方、バーナンキ議長は「財政出動による景気刺激策は金融政策とあわせて行うことで経済成長を支えると思う」と述べて、景気減速に歯止めをかけるため、緊急の景気刺激策が必要という考えを初めて明らかにしました。アメリカでは雇用情勢の悪化や個人消費の低迷を受けて、景気後退を避けるため、金利の引き下げに加えて、財政出動や減税などを盛り込んだ景気対策が必要だという声が日増しに強まっています。 1月18日 6時4分

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