ニューヨーク株式市場は、アメリカの中古住宅販売の統計や自動車大手メーカーの業績が市場の予想を大幅に下回ったことから、平均株価の終わり値は280ドル以上値下がりしました。
24日のニューヨーク株式市場は、この日発表された、アメリカの中古住宅の販売件数がこの10年間で最低の水準となったことや、アメリカの自動車メーカー「フォード」の業績が市場の予想を大幅に下回ったことから、金融銘柄を中心に売り注文が膨らみました。平均株価の終わり値は前日より283ドル10セント安い1万1349ドル28セントでした。市場関係者は「このところ、政府系金融機関の資金繰りや金融市場の混乱への懸念がやや薄らいでいたが、住宅不況の深刻さをあらためて示す指標が発表され、景気の先行きに対する不安が再び高まった」と話しています。
米国株急反落、ダウ283ドル安 中古住宅販売件数受け、利益確定も
【NQNニューヨーク=横内理恵】24日の米株式相場は3営業日ぶりに急反落。ダウ工業株30種平均は前日比283ドル10セント安の1万1349ドル28セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同45.77ポイント安の2280.11で終えた。6月の米中古住宅販売件数が市場予想を下回ったことなどを受け、住宅株や金融株に売りが膨らんだ。
ダウ平均の下落幅は6月26日以来の大きさだった。午前10時に発表された中古住宅販売件数は前月比2.6%減の年率換算486万戸だった。市場予想(495万戸)を大きく下回ったため、住宅市場の落ち込みが続いているとして、米景気の先行き不透明感につながった。朝方発表された週間新規失業保険申請件数が大きく増加し、40万件を超えたことも嫌気された。
午後にかけて金融株に売りが膨らむとダウ平均は下げ幅を広げた。住宅市場の落ち込みが住宅ローンの延滞や住宅差し押さえ増加につながり、金融機関の業績の重しとなるとの見方が広がったという。ここ1週間ほど相場の反発基調が続き、前日にはダウ平均が約1カ月ぶりの高値を付けていたため、利益確定売りも出やすかった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約16億4000万株(速報)。ナスダック市場は約25億5000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全十業種)では「金融」が6%超下落したのを筆頭に、全業種が下落した。
決算で一株利益が市場予想を下回った化学大手ダウ・ケミカルが下落。市場予想以上に赤字が膨らんだフォード・モーターは15%超下げ、ゼネラル・モーターズ(GM)もつれ安した。業績見通しを下方修正したダイムラーも大幅安だった。KBホーム、DRホートンなど住宅株も大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたと伝わったAT&T、ボーイングも安い。
決算が市場予想を上回った化学大手スリーエムが小幅高。前日夕に発表した決算や見通しが好感されたアマゾン・ドット・コムが急伸。決算が黒字を維持したことを受け、クレディ・スイスの米預託証券(ADR)も上昇して終えた。(
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